聖書に以下の事を学ぶ。
「惜しんでわずかしか種を蒔かない者は、刈り入れもわずかで、惜しまず豊かに蒔く人は刈り入れも豊かなのです。各自不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めた通りにしなさい。喜んで与える人を神は愛して下さるからです。」
事業家は、常に新規事業を模索すべきだ。既存事業の上に胡坐をかいていてはいけない。投資をすればいいというものではないが、投資をしなければ、収益もわずかになる。既存事業は今は良くても、未来永劫、同じような収益を上げるとは限らない。儲かっているマーケットであれば、必ず新規参入者は出てくる。競合が増えてくれば、価格競争になるし、新規者の方が魅力的なサービスラインナップを持っている可能性があるから、儲からなくなってくる。ビジネスはその繰り返しだ。
上の文章の通り、投資をケチると、収益もわずかになる。投資をケチらなければ、収益は上がるかもしれない。投資をケチらなかったからと言って、絶対に収益が上がるわけではない、ここが難しいところ。
種の場合は、通常、耕作面積と種の数で、作物の量は決まる。天候の問題が起きるが、それは仕方ない。だから予想がつきやすい。ビジネスの場合、例えば、飲食店を見ると、大きな面積の店を持てば、それだけ客が来るかというとそんなに甘いものではない。面積が広くて、客が少ないと見た目も悪いだけならいいが、それだけ家賃も高いから、維持費がかかる。売上が家賃を超えなければ、撤退は近い。それにそれだけ大きな箱であれば人件費だってかかる。大きな箱で飲食店を行う場合には、それだけ多くの客が予め見込めなければならないし、そもそも大きな店でのマネジメント経験もなければならない。小さな店には小さな店の、大きな店には大きな店の問題点がそれぞれある。やったことがないと対処ができない。
そもそも大きな箱にお客を誘導する方法だってわからないだろう。店があればお客が入るわけではない。色々店がある中で、あなたの店を選んでくれる理由を店の経営者が顧客に対して示さなければならない。
自分のコントロールできないことは、そもそもコントロールできないとの割り切りも必要である。だから、天候不良で不作の場合には、諸手を上げて諦めるしかないが、普通の状況であれば、耕作面積と種の数という、売上の要因を経営者が把握できるかによる。この要因を自分がコントロールできさえすれば、売上自体をコントロールできるからだ。
売上の要因を経営者が把握し、コントロールできるまで、ビジネスを作りこめるようになったら勝ち。ここまでくると、費用をどれだけかければ売り上げがどれだけ上がるかわかるから、後はいくら投資を増やせばいいかがわかる。
単に投資を増やすだけではなくて、売上の要因を掴み、コントロールし、売上をコントロールすることができるようになって初めて投資をすべきだということになる。やみくもに投資をしても、決して刈り入れが増えることはない。
[教訓]
〇売り上げを作る要因を把握し、コントロールできるまで投資は待て。小さいながら事業の流れができてきて、出金と入金のタイミングが把握できたとき、つまり小さな円が描けたときに、その円を大きくするために勝負をかけろ。