聖書に以下の事を学ぶ。
「人を分け隔てしてはいけません。あなた方の集まりに金の指輪をはめた立派な身なりの人が入ってきて、また汚らしい服装の貧しい人も入ってくるとします。その立派な身なりの人に特別に目を留めて、「あなたはこちらの席におかけください」と話し、貧しい人には「あなたはそこに立っているか、私の足元に座るかしていなさい」というなら、あなたは自分たちの中で差別をし、誤った考え方に基づいて判断を下したことになるのではありませんか。」
カスタマーマーケティングの視点で考えると、どうしても人を分け隔てせざるを得ない。例えば、無料会員と有料会員であれば、有料会員にできる限りリソースを割かなければならないし、その中でより高額サービスを購入してくれるお客さまならば、一番、注意を払わなければならない。
飲食店にしても、新規顧客を開拓するのは不可欠だが、新規顧客をクーポンで優遇する結果、リピーター客をそれほど優遇できなかったら、リピーター客になる理由がない。メリットがなければお客はだんだん離れてしまうだろう。むしろ、リピーターになればなるほど割引率を高くした方が、セオリーと言える。年数がたてばたつほど、サービスを辞められなくなる。どうせ顧客になりたてであれば、浮気者かもしれないから、様子見で良い。
上記で言っているのは、顧客になった後ではなくて、顧客になる前のことを言っていると考えるとマーケティングの視点から考えても腑に落ちる。
お金持ちの身なりをしていたり、職業も立派そうに見えても、自社のサービスのヘビーユーザーになるとは限らない。ターゲットは異なるが。女子のアイドルグループの追っかけをやるようなヘビーユーザーの大半は、あまり安定的でなく、それほど高給取りの人でないイメージの方が強い。食事代と家賃以外は、全てアイドルにぶち込んでいるのではないかという感じだ。
あくまでもサービスによりけりだろうが、貧乏人と金持ちの間に差がないこともある。だから最初から年収で分けて、高い年収の人を優遇したところで、あまり意味はない。そもそもたくさん稼いでいることと、自社のサービスを利用することはまったく一致していない。たくさん稼いでいれば、自社のサービスを利用するにあたって、お金を払う余力はあるだろう位の参考にしかならない。
人の分け隔て方は、立派な職業や年収以外のところで分けた方がいい場合もある。しかし、不動産や証券などの高級商材であれば、もちろん立派な職業と年収で考えた方がいい場合も多いと思われる。それは事業とサービスの内容次第で、区別する基準を変えろということだろう。
[教訓]
〇人は見た目や収入の多寡で選ぶな、事業とサービスの内容次第では、区別する基準は異なる。その基準が的確でなければ失敗する。