聖書に以下の事を学ぶ。
イスラエル人はエジプトのファラオ(王様)にとって、使い勝手の良い奴隷だった。そのため、簡単に奴隷を手放すわけがない。しかし神様からの命令を守るためには、モーセはファラオと上手く交渉しなければならない。さすがにケンカを売って勝てる相手でもない。正直、交渉というよりも、災いをもたらした脅しだったと言って良い。どのような脅しを使ったかというと次の通りである。
最後以外は、洪水や伝染病等の自然災害で説明可能なものだ。そのため、そういった災いをイスラエルの民を囲っているからだとの理由にすり替えて、エジプトを脱出することができたのだろう。脱出というよりは、ファラオとしては災いの原因となっているイスラエル人に出ていってくれという感じだったに違いない。
日本だけでなく、おそらく全世界的にはびこっていると思われるが、強い方が弱い方に無理を強いることだ。弱いものをさらに弱らせることは、ミクロで見れば大したことではないが、マクロで見たときに経済を弱らせることにつながる。強者であればあるほど、弱者には優しい世の中でありたい。強い者が強くなると、お金のまわりが悪くなる。資本主義社会はお金が回ってこそ初めて成立する社会だ。
逆に弱者が強者に対峙したときには、モーセが使ったような一種の脅しも必要になってくることもある。Win-Winの関係だなどときれいごとを言っている場合ではない。そもそも強者に対してメリットを説明したところで意味がない。なぜならば強者は余裕があるからだ。そのときに、現状のデメリットを説明し、その改善案を提示した方が良い。強者は今を維持すること、安定させることに関心がある。
そのためには、強者には、今のお困りは〇〇ですね。そのままにしておくと△△になってしまいますよ、だから□□しませんか、といった脅し文句の方が効果がある。
具体的に言葉を入れてみよう。
「今のお困りは、利益が出すぎた納税ですね。そのままにしていくといくらの納税が発生しますよ。今のうちに節税しませんか。」
(エジプトのファラオに対しては)
「今のお困りは、長子が殺されてしまうことですね。イスラエルの民を奴隷として囲っておくと、長子がいなくなってしまいますよ。だからイスラエルの民を開放しませんか。」
上の文章はモーセが語ったわけではないが、ファラオは数々の災難を受けて、そのように受け取ったに違いない。
[教訓]
〇営業トークとして、時と場合によっては脅し文句の方が効果がある。将来のデメリットを伝えるということ。