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起業家が見せられる奇跡とは

聖書に以下の事を学ぶ。

モーセと言えば、海が割れるシーンだ。このクライマックスの話はさておき、その手前の話をしよう。モーセとしては、イスラエル人が重労働で苦しんでいて哀れに思って、エジプトを脱出させたものの、いきなり荒れ野に出されて、一般の民は不平をこぼす。

「我々を連れ出したのは、エジプトに墓がないからですか。荒れ野で死なせるためですか。一体、なにをするためにエジプトから導き出されたのですか。我々はエジプトでほおっておいてください。自分たちはエジプト人に使えます。荒れ野で死ぬよりはエジプト人に使える方がましです。」

これが一般人なのだ、下手なベンチャー企業であくせく働くよりも、安定的な大企業で部品になって働く方がなんぼましなことか。

エジプトでは、災害続きでイスラエル人を追い出したものの、やはり奴隷がいないのも寂しいもので、軍勢を率いて、イスラエル人を再び奴隷として使おうと追ってきた。

まさに絶体絶命のそのとき、海が割れ、イスラエルの人々は、渇いた地を渡り、その間を進んでいく。エジプト軍は、その後を追うも、海が元の場所に流れ返り、軍は海の中に投げ込まれた。

モーセは神の力を借り、奇跡を見せた。イスラエルの民は、神様がエジプト人に対してした奇跡を見、神様を恐れ、神様とその僕であるモーセを信じたのである。

モーセというのは預言者であり、今でいうところのリーダーである。それと一般人との対比が興味深い。一般人は、安定的な生活をくれれば、リーダーなんて誰でもいいのだ。極端な話、奴隷であっても飯が食えればいい。自由であっても飯が食えないのはダメ。逆にリーダーはイスラエルの民の独立を願って人々を率いた。むしろ安定的な生活の方がどうでもいい。理念先行型がリーダーであって、実益先行型が一般人なのだ。

だからと言って、役員報酬を少なくしろというわけではない。その対価をもらうことは決して悪いことではない。だが、銭ゲバ経営者は見ていて、要するにアンタは何がしたいんだと思う。先がどうなるかわからない社会に必要なのはビジョンを持ち、リーダーシップを持つ人材だ。金を蓄えて自慢している奴ではない。

海が開くほどの奇跡など見せる必要はない。一般人にとって、お金を稼ぐのは一時間いくらで支給されることしか慣れていない。だから、案件単価でガバっと稼ぐビジネスモデルを考え出したことでも十分奇跡と言える。一般人は雇われることで年間数千万円までの稼ぎ方は知っている(できるかどうかはまた別)。しかし、年間数億円の稼ぎ方は知らない。それを見せるだけで良いのだ。まあ要するに、リーダーは稼いで、人を使ってやって生活の面倒を見てやれということだ。そして、未来はこうなる、だからついて来いというビジョンを見せられるかどうかなのだ。

[教訓]

〇時給単価でしか稼げない一般人からすれば、起業家のビジネスモデルは奇跡だ。従業員に奇跡を見せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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