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能力だけではなく性格も必要

「将がいても兵がいないのでは、惑星なき恒星に等しい。光も熱もむなしく闇を照らすだけのことだ」・・・
「ヤン・ウェンリーは用兵家として他に類を見ない才能と実績を有している。しかし、それによって彼の政治家としての成功が証明されるわけではない。名声によって反帝国勢力を糾合することは可能だろうが、問題はそれを維持しうるかどうかだ」・・・

バーミリオン会戦の時、ヤン・ウェンリーは勝利を目前にしながら、同盟政府の命令に従い、無条件で砲火をおさめた。ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトを、まさに射程に捕らえようとしていたにもかかわらず、彼がその命令を無視すれば、政府の掣肘から解放され、彼自身が宇宙の覇者足り得たかもしれないのだ。

その決断は、道義的には賞賛に値するものであったが、同時に政治行動家としてのヤンの限界を暴露してしまったのである。・・・またその価値観を変えたとしても、既に最大の好機を取り逃したものに幸運の女神が改めて媚を売ることはないであろう。政略家としてのヤン・ウェンリーに能力上の資質はあっても性格上の資質は欠けているのだ。

(解説)
将がいても兵がいない、個人事業主か経営者一人の小さな会社のことか。いくら光り輝いても、宇宙の闇を照らすだけともいえる。ただ、兵がいなくても、お客がいれば問題はない。

元々ヤンは、政治家などやる気がないのだし、やる気がないことに対して結果を出せというのが酷な話だ。しかしながら、あることで才能や実績があっても、別のことでその才能や実績が生かされ、同様に成功することもないといえる。それは別の事業で成功したからと言って、他の事業で成功することを意味しないというのと同じである。

物事を成功に導くためには、才能だけではなく、性格も重要な要素と言える。政治家を見ていると、能力だけでは務まらないと思う。良いも悪いも、その権力を何が何でも掴もうとする、一度手に入れたら何が何でも逃さないという執念も必要だ。ちょっとしたことで、マスコミから重箱の隅を突かれたり、足を引っ張られたり。めんどくせえ、もういいよ、と自分なら言ってしまいそうだ。

さて、経営者も人を導く性格が必要だ。人を導きたくない性格の持ち主では、本当に務まらない。それに、最大のチャンスをものにしようとする執念が必要である。人生、何度も感度もチャンスは巡ってこない。もの凄いチャンスは人生に3回訪れるとは言うが、そもそもそれがチャンスかどうかもよくわからない。嗅覚と執念。それがチャンスをものにする資質と言える。

(教訓)
〇事業を成功に導くためには、才能だけでなく、性格も重要である。
〇成功の資質は、嗅覚と執念である。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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