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危機的な状況に外部招聘人材に巨額報酬を与えるべきではない

「・・・君は今度、少々に昇進することになった。・・・昇進の理由は分かるかね?」
「負けたからでしょう」
「やれやれ、君は昔と少しも変わらんな。温和な表情で辛辣な台詞を吐く・・・」

「やたらと恩賞を与えるのは窮迫している証拠だと古代の兵書にあります。敗北から目をそらせる必要があるからだそうです。」

(解説)
自由惑星同盟軍統合作戦本部長シドニー・シドレ元帥と、ヤン・ウェンリーの会話である。シドレ元帥はヤンに、昇進を告げた。

アスターテ会戦において、大敗しなかったことで、勝利したことにしなければ、国民は納得しない。そこで、勝利の英雄としてヤンが担ぎ出された。

会社で恩賞を与える場合、通常は、業績が上がったときであって、それに貢献した人材に与えられるものである。会社が危機的な状況、つまり業績が下がったときに恩賞を与えたくても、原資がない。

原資がないのに恩賞を与えてしまえば、会社の業績悪化まっしぐらと言える。

但し、実際は会社が危機的な状況に陥りつつあるときに、優秀な人材に巨額の報酬を与えて、この状況を乗り切ろうという方法はありうる。少しでも支払原資が確保できれば何とかならなくもない。しかし、ほとんど火事場泥棒的な方法で会社がV字回復をするというのは、稀でしかない。

役員を巨額報酬で釣ることはあるが、会社が危機的な状況下にあって、大金を積んでも、積れた方は尻尾を振ってやってくるが、既存のスタッフはどっちらけである。むしろ、既存のスタッフに奮起を促すために、高い成功報酬をばらまくという方がいい。もちろんその役員が巨額の資金を持ってきてくれるのであればやむを得ないが。

そのため、恩賞は結果が出たときにのみ行うのがセオリー通りである。バカの一つ覚えかもしれないが、凡人は奇抜なことをやっても失敗するのがオチだ。

(教訓)
〇セオリー通りではあるが、褒章は業績が上がった時のみに行え。
〇危機的状況化で外部人材の招聘に、金を積んでも、既存のスタッフはどっちらけ。かえって、組織としてもまとまりを欠く結果となることが多い。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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