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独立せよ

「ヤン提督は将来がよく見えるが、残念ながら手足がとなわない。むろん、それは彼のせいではない。彼にはそこまで能動的に行動する権限がないのだからな」
「すると、制度のせいなのでしょうか」・・・
「制度のせいにするのは、わしとしてはつらいな。わしは自分が民主制共和国の軍人であることを長いこと誇りにしてきた。そう、君と同じくらいの年齢に二等兵になって以来、ずっとな・・・」・・・
「民主制共和国が、軍人の権限を制限するのは正しい、とわしは思う。軍人は戦場以外で権力や権限を振るうべきではない。また、軍隊が政府や社会の批判を受けずに肥大化し、国家の中の国家と化するようでは民主政治は健全でありえんだろう」
・・・
「民主主義の制度は間違っておらん。問題は、制度と、それを支える精神が乖離していることだ。現在のところ、建前の存在が本音の堕落をようやく防いでいるが、さて、それもいつまでもつか・・・」

(解説)
民主主義の制度については、全くもってビュコックの言っていることが全てだと思う。問題があるとすれば、制度そのものではなくて、制度と精神が乖離していることなのである。ここで政治を嘆いても仕方がない。

ビュコックが最初に言っている言葉、「ヤン提督は将来がよく見えるが、残念ながら手足がとなわない。むろん、それは彼のせいではない。彼にはそこまで能動的に行動する権限がない」、これが重要だ。制度を嘆くのであれば、その制度を創造する必要がある。

ビジネスの世界で言えば、今の会社でサラリーマンとして働いていれば、いくら未来を見通せても、行動のとりようがない。そうであれば、独立してみずから経営者になるしかないのだ。今の会社のことを嘆いていても仕方がない。

いや、リスクは負いたくないし、安定して給料が欲しい、というのであれば、嘆きは心に止めて置き、たまに酒でも飲んで、鬱憤晴らしでもするしかない。しかし、愚痴をこぼしたとことで本当に意味がないし、時間の無駄だ。

将来がよく見えるというだけでも起業家としてのセンスがある。後は勇気だけだ。

(教訓)
〇今の会社にいて、自由がないことを嘆くな。独立せよ。
〇将来を見る力は起業家に必須の才能である。独立せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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