世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

悪魔の営業の方法

かつてヤン・ウェンリーは被保護者のユリアン・ミンツに向って語ったことがある。
「戦略及び戦術の最上なるものは、敵を喜ばせながら罠にかけることだろうね」
また、こうも言った。
「種をまいた後、ぐっすり眠って、起きてみたら巨大な豆の木が天に向かってそびえていた。と言うのが最高だな」

ユリアンに語った策略の、その双方をヤンは実行しようとしているのだった。実のところ、イゼルローン要塞から脱出、ボブラン少佐に言わせれば「夜逃げ」、すること自体は、奇策等と言うレベルのものではなく、駐留艦隊の兵力を活用するには他に方法がないのである。全てをわが物に、と言うわけにはいかない以上、二義的なものは斬り捨てざるを得なかった。艦隊兵力活用と民間人の安全を撮れば、軍事的ハードウェアとしてのイゼルローン要塞を棄てるのは、春に重いコートを脱ぎ棄てるも同様のことで、感傷だけが問題になることであった。
・・・
「爆発物を敵に発見させなくてはならない、ただし、容易に発見させてはいけない、というわけですのね。でないと真の罠が見破られると・・・」
「そういうことだ。つまりね、大尉、私としては最初から燃やすための人形を用意して置いて、真物の罠から帝国軍の目をそらせたいのさ」・・・
「寸前のところで人形に気づいてもらって、そこで油断してもらう必要があるんだ。これだけ大掛かりな仕掛けの後には何もあるまい、と思ってもらわないとね」

(解説)
相手を喜ばせておいて、結果として罠に嵌める。何だか不動産投資のようでもある。これからは年金プラスαですよ、そのためには不動産投資を、と言っておいて、収益を見せつつ、つまり喜ばせておいて、実際はババ掴みをさせる。投資信託もそれに近い。実際は上がるか下がるかだから、単純計算して、半数が得をして、半数が損をする。証券会社や不動産会社への手数料分を考えると、ローンもいれれば銀行もか。誰がどう考えても半数が損をする仕組みになってるよね。

相手をさらに嵌めるためには、小さなリスクをきちんと見せておく。大きなリスクは隠しておくか、サラっと流す。ヤン曰く、最初から燃やすための人形をおいておき、本当の罠からは目をそらす。本当のことを全部話したら、かなり多くの人が、購入せんだろうな・・・。

(教訓)
〇悪魔の営業:相手を喜ばせておいて、罠に嵌めよ。
〇悪魔の営業:小さなリスクを発見させ、大きなリスクを隠せ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする