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一人に権限を集中させるな

予備役准将フォークが統合作戦本部長クブルスリー大将を襲って負傷させたというニュースは惑星ハイネセン全土を驚倒させ・・・

さしあたって、統合作戦本部はチーフを必要とした。誰かを後任、または代理に立てなければならない。
制服軍人のナンバー1が統合作戦本部長であるなら、ナンバー2は宇宙艦隊司令長官である。
本部長臨時代行への就任を国防委員会から打診されたビュコックは、即座にそれを辞退した。組織のナンバー1とナンバー2を同一人が兼ねるのは、独裁的権力への道を開くことになる。それが老提督の正論であったが、彼が内心で考えたのは、テロの対象を分散させる必要だった。

テロの標的となることを恐れるビュコックではない。彼に権力が集中し、今度はビュコックがテロに倒れたとき、宇宙艦隊司令部と統合作戦本部の大組織がチーフを失い、機能をマヒさせてしまうであろう。せめてどちらか一方が機能していないと、同盟国全体が動けなくなるかもしれないのだ。

(解説)
同盟国内での内乱を危惧していたビュコックの下に、転換性ヒステリーをもったフォーク予備役准将が統合作戦本部長クブルスリー大将を襲ったという知らせが入った。これは制服軍人のナンバー2が倒れたことを意味し、組織はすぐに長を必要とする。

即座に長を置かなければならないため、組織では宇宙艦隊司令長官であったいわゆるナンバー2のビュコックがナンバー1を兼ねるという打診をビュコックにしたものの、一人に権限を集中させれば、強大な権限を持たせることになり、独裁化への道を作ってしまうことにもなる。

もう一つは、内乱やテロが起きるかもしれないときに、両者を一人で兼ねてしまうと、その一人がテロで倒れたときに、どうにもならなくなる可能性がある。通常はビュコックがナンバー1になり、ナンバー2を誰か他の人でもよいと思う。

組織は常にリーダーを必要とするから、常にサブリーダーを設置し、リーダーの確保に努めておくべきだろう。そして一人に権限を委ねず、上手く分散させた方が、独裁的な存在を組織に現れる危険性も減る。責任が人を育てることもある。だから、一人が何でもこなさない方がいいのだ。

(教訓)
〇ナンバー1とナンバー2を一人でやらせるな。その一人が倒れたときに組織が機能しなくなる。
〇一人に権限を集中させすぎると、不正も起こりやすくなる。権限を分散させよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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