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論理的な思考の方が予想しやすい

「はい、閣下、ローエングラム公が何をしようとしているのか、わかったような気がします」・・・
「表現は正確にすることだ。ローエングラム公が何を考えているかということと、何をやっているかということ、この両者には一光年からの距離があるよ」
「はい、でもこの場合は一光日の距離もないと思います」
・・・
「ローエングラム公がねらっているのは、わが軍に消耗を強いることです。それも物的にだけではなく心理的にもです。ことさら、一つの陣が突破されると次の陣が現れるのは、その証拠です」・・・
「彼らは前方からやってくるのではありません。それでしたらセンサーに補足されるはずですし、ローエングラム公が戦況を把握するのも難しくなります。思うに、わが軍とローエングラム公との間には、本来、何者も存在しません。敵の兵力はむしろ、左右に、薄いカードのように配置されていると思います」・・・
「つまり、彼らは左右からスライドして、わが軍の前方に現れてくるんです。これを何とかすれば、ローエングラム公の本営を直撃できるのではないでしょうか。」

(解説)
人の行動には考えていることとやっていることが同じ場合と、実は異なる場合がある。後者において、本人が気づいていないのは悲しいとしか言えない。

現在の行動から、帰納的に考え方と予想する。考えを予想して演繹的に行動がその考えと合致しているかを確認する。相手が何を考えているかは、行動から推測するしかない。

ラインハルトの考えることには矛盾がない。それゆえ考えを具現化した行動と言うのは非常に論理的である。論理的にモノを考える力のある人にとっては、何も考えない輩よりも、その意図について予想がしやすいともいえる。

案外、何も考えていないか、直感で動くタイプの方がわかりづらい。そもそも論理的ではないから、行動と意図が支離滅裂な場合も少なくない。そして、大抵うまくいかないことがある。逆に相手を騙すには良いかもしれない。味方ですらも予測できない動き、つまるところ、敵を騙すにはまず味方からとも言われる。この場合、敵を騙せず、味方しか騙していないことも往々にあるので気を付けよう。

分析する方としては、行動から意図を明確かつ正確に導き出さねばならない。意図がわかって初めて、現在の行動が理解でき、その行動に対する対処もできる。

(教訓)
〇行動から相手の意図を正確に導かなければ、相手の行動に対する対処も正確に行うことはできない。
〇論理的に考えない人物の行動の方が、読みづらい。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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