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時代から必要とされよう

ヤンがいきいきとするのは、大軍を相手とする作戦案を練り、戦場においてそれを実行するときなのである。ヤン自身の思いは別として、その資質は乱世向き、非常時向きにできているのであろう。平和な時代であれば、無名で終わるはずの青年、せいぜい二流の歴史家として一部の人々に知られる程度であろう、が、巨大な恒星間国家の重要人物足り得たのは、時代がその才能を必要としたからに他ならない。

軍事的才能というものは、人間の能力の中でも、極めて特異な部類に属する。時代や状況によっては社会にとって全く無用な存在となる。平和な時代に巨大な才能を発揮させることなく逝った者もいるであろう。それは学者や芸術家のように、死後、埋もれていた作品が世に出るといったたぐいのものではない。可能性が評価されることもない。結果だけが全てなのである。そして、その結果を若くしてヤンは十分以上に築き上げていた。

(解説)
世の中で成功を収めた人に共通して言えることは、時代に呼ばれたという点である。その時代での成功者を人は天才と呼ぶが、はっきり言おう。運が良かっただけなのだ。

その成功者の中でも、息を吸ってはいているだけで、というとかなり語弊があるのだが、それほど努力をしなくても上手くいってしまう人がいる。自分の思い通りにやっていったら、なぜかうまくいってしまった人だ。傍から見ると、これこそ天才と言いたいところだが、はっきり言おう。運が良かっただけだ。

その成功者の中でも、天才型ではなく、秀才型と言われる人間がいる。結果を出していれば第三者からしていれば、天才に見えるのだが、彼らは時代を嗅ぎ取り、それに合わせて生きることができる人である。時代のニーズを読み取って、社会のニーズを満たすという考え方だ。こういう人は案外多い、というか成功者の多くがこちらだろう。

今、どうも冴えないという人は、まず自分は、今のところ時代に呼ばれていないと思った方がいい。しかしそこで腐らずに、淡々とやっていれば、その時代が来ればいきなり、有名になったりもするだろう。あるいは、時代のニーズを読み取って、社会に必要とされるように、アンテナを張り、試行錯誤を繰り返すことだ。それでも芽が出なければあきらめざるを得ないが、好きなことをやって生きるのが一番である。

ニーズを読み取って、と言う努力型な生き方は、凡人にもできる。成功するかどうかは、はやり努力と運次第ではあるが。我々にできることは、少しでも当たりそうな生き方をする努力である。

(教訓)
〇成功したからと言ってもおごるなかれ、運が良かっただけだ。
〇今は時代に呼ばれていなくても、そのうち呼ばれるかもしれないから、コツコツとやり続けよう。そして、時代のニーズを読みとって、試行錯誤を重ねよう。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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