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ちょっとした違和感をみつけろ、物事解決のヒントになる

他罰傾向があったか。つまり、自分の失敗や不振を他人のせいにすることはあっただろうか。
「ええ、そんなところも確かにあったようです」
「友人だというのに、あまりかばいだてしないんだね」
「率直にお答えすることが、協力することになると思いますので・・・」
熱のない口調に、キルヒアイスも軽い苛立ちを覚えた。この生徒は自分が知っていることや信じていることより、相手の望んでいることを語ろうとしているように思えた。生徒の背後のグラウンドで騒然たる気配が生じた。肩越しに振り向いた生徒に、視界を遮られたラインハルトが尋ねた。
「どちらが得点したんだ?」
「黄色でない方です」
生徒が答えた。赤いジャージ―の群が歓喜の声を上げて抱き合うのが見えた。

(解説)
捜査協力者のハーゼは、殺されたライフアイゼンの友達であったことが分かったわけだが、あまり貴重な情報が得られない。むしろ、人の顔色を窺って話してくるようだ。いわゆる性格的に優等生タイプである。

顔色を窺うタイプは、メリット、デメリットがある。なぜ人の顔色を窺ってしまうかというと、嫌われたくないからという理由が大きい。評価できる面としては、場の空気が読めるため、相手を傷つける言葉を避けることができる。また、相手が欲しがっているものを感じ取り、相手の要望を提供することができる。接客業には向いているかもしれない。

しかし、その反面、相手の気分を害さないように細心の注意を払うため、自分にストレスが溜まってしまう。当然、自分自身でやりたいことは二の次に考えるから、自分自身のやりたいことができない。

このような人は少なくない。ストレスが溜まってしまうと、病気にもなるし、どこかで大爆発を起こして、かえって迷惑をかけることになるかもしれない。意識変革が必要であり、嫌われないようにふるまうことをやめないといけない。これだけは譲れない、という線を引く必要もあるだろう。何が譲れないのか考えてみると良い。すぐには改善できないものだ。それ故、一人になれる時間を自分で作ってみよう。自分を見つめる時間であり、他人とは接触しない時間が必要である。

また、学校の校庭でスポーツをやっており、ハーゼが「黄色い方でない方が得点した」と回りくどい言い方をしていた。そういうちょっとしたところに物事を解決するヒントが隠されていたりする。特に優等生で他人の望むことを応えようとする人物から情報を得るためには、直接、質問とは関係のない質問を振ってみると良い。

(教訓)
〇顔色を窺いすぎるとストレスが溜まる。自分で譲れない線を見極め、自分を見つめ直す時間を確保せよ。他人に嫌われても、自分を持つ、意識改革するのだ。
〇問題の解決に直接の質問とならないような質問を飛ばしてみると、物事の解決につながる。別のヒントが得られることがある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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