世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

自然災害に備え事業継続計画を立てよう

ブリュンヒルトのスクリーンを、球状の放電体が白く閃きつつ横切っていく。だが、それ以上に、ラインハルト自身が一個の放電体と化していた。
「退くな! ここで一歩退けば、崩壊に直結する。後三十分だけ踏みこたえろ。起死回生の策は既に考えてある。タイミングだけが問題なのだ。三十分の忍耐で勝利が手に入るのだぞ」
ラインハルトは、嵐と戦闘の惨禍を映し出すスクリーンに蒼氷色の瞳をすえたまま、身じろぎもしない。
「キルヒアイス、惑星表面、BO4座標に核融合ミサイルを集中斉射させろ、旗艦が行えば、他はそれに倣う」
それがラインハルトの命令だった。

戦況は一変した。
同盟軍の直下に位置する惑星レグニツァの表面で、すさまじい爆発が生じたのである。集中して打ち込まれた核融合ミサイルの大群は、ヘリウムと水素から成る惑星表面の大器層を破壊し、粉砕し、数十億立方キロメートルに及ぶ巨大なガスの塊を、下方から同盟軍艦隊に向けて叩きつけた。同盟軍の陣形は一瞬にして崩壊した。戦術的計算も、努力も、人為によって作り出された自然の砲撃の前には無力だった。

(解説)
上記は、ラインハルトが自然エネルギーを人為的に増幅することによって、兵器化に成功し、同盟軍を大打撃を加えた。それまでは、同盟軍の戦況は決して不利ではなかった。そのため、ヤンのアドバイスを聞かず、同盟軍のパエッタ中将の艦隊は大打撃を蒙り、撤退を余儀なくされた。

災害に因る被害は、今まで順調にいっていた会社経営に致命的な打撃を加える。コロナショックも同様だ。今回は自然災害について考えてみよう。

海岸沿いに会社や工場があれば、津波による被害があり、どこにいても台風の被害があり、河川沿いに拠点があれば、洪水による水害がある。またどこにいても地震の被害がある。これら自然災害を回避することは不可能だ。さらに自社に何ら被害がなかったとしても、取引先に被害があり、仕入先に工場が災害にあう、道路が破壊される等、サプライチェーンが分断して、売上が立たないということだってある。

常日頃、被害を最小限にするための方策、事業継続計画を立てておかなければならない。何気に、損害保険もリスクマネジメントの一つだ。自社の財務でできることと言えば、数か月分の運営資金を内部留保して置くのも手である。

本社に人を固めない、と言う必要もあるかもしれない。テレワークで拠点を複数擁していれば、本社がダメでも別の拠点が無事であれば、会社としての機能は保たれる。

(教訓)
〇災害に備え、事業継続計画を立てておけ。
〇リスクを計量化しておけ。
〇本社に人を固めるな。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする