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危機的激変期こそチャンス到来

積極的な展望と行動を、自らに課した者もいる。元々フェザーン人の長所は、与えられた政治的状況の中で最大の利益を上げることにあったはずである。旧来のフェザーンと言えども万人平等の天国であったわけではなく、既得権をほしいままにする豪商の横暴に泣いた中小商人もおり、商戦に敗れて零落した一家もある。このような人々にとって、ラインハルトの征服によってもたらされた時代の激変は、いわば敗者復活戦のまたとない好機であった。彼らは征服者たちの歓心を求め、軍需品の調達、兵士宿舎の建設、経済や交通や地理や市民感情に関する情報の提供等に奔走した。ことに若い世代は、長老たちへの反発と若い征服者への情緒的な支持とを加速させつつあり、帝国政府も意図的に若いフェザーン人を厚遇して、共存への道をローラースケートで走り始めたのである。

(解説)
フェザーンにしてみれば、支配者ラインハルトがいきなりやってきた、と言った感じだ。時に社会的変革は、既得権者に不利に働く。ちっとも社会的に恵まれていない人でも、社会の変革は望まないし、変革を推進しようとする連中を非難するのだから、結構傍から見ていると面白い。既得権者のメディアに化かされているんじゃないだろうかとさえ思う。

人による変革は望まないが、人以外による変革は、決して望むべきではないが、時に強引に訪れる。コロナショックもその一つだ。本来望んでいなかった強制的な変化が、突然にやってきた。

この時代の激変は、敗者復活戦の好機ともいえる。少なくとも、今まで一切得をしていなかった人が、大どんでん返しをする大チャンスである。とはいえ、多くの人にとって見れば、単なる災難でしかない。これを災難だと思っている連中は、既得権でぼろ儲けをしていた連中か、あるいは、自分の力ではどうすることもできない能力しか持っていない連中である。

まあ、権力者は、このどさくさに紛れて、大企業を巻き込んで、自分たちの懐を潤しているようだが。こんな激変期には、これからどうなるかわからないのだから、予想ゲームの勝者が、成功を掴むことができる。災難をチャンスに変えられるかどうかだけである。

今のリーダーがいいとか悪いとか、そんなことを言っても始まりはしない。経営者の長所は、「与えられた政治的状況の中で最大の利益を上げること」であるべきだ。どんな政党が与党になとうと、誰が総理大臣になろうと、変化の時がチャンスの時。変化がないときにはチャンスなんか訪れないのだ。ある特定の政党が与党にならないとダメだ、ある総理大臣でないとダメだといっている経営者は、経営者としては無能である。いい訳をせずに、どんな時にでも儲けろ。

(教訓)
〇危機的激変期こそ大どんでん返しのチャンス。
〇経営者の長所は、「与えられた状況の中で最大の利益を上げること」であるべきだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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