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油断させれば勝機が見える

ロイエンタール、ミッターマイヤー、ケンプ、ビッテンフェルトら帝国軍の勇将たちは、戦艦の艦首を並べ、密集体系で突進してきた。それは細かい戦法を無視した力づくの攻撃に見えたが、実はキルヒアイスが別動隊を率いて同盟軍の後背に回り込もうとしており、挟撃の意図を隠すためにも、同盟軍に余裕を持たせないだけの猛攻を加えねばならないところだった。

(解説)
本体はあくまでも正面から正々堂々と攻撃するが、戦法を感じず、緩さを見せる。しかし、遊撃隊が背後から迫る。その遊撃隊が敵に大打撃を加える本体である。敵の目を集中させるためには、大部隊とこれならば勝てると相手に油断させることだ。そして攻撃が来ないと思っているときに不意を衝く。

自分が他人から過小評価されていれば、いじける所ではなくて、逆にチャンスだと思え。なぜならば、相手が油断し、手を抜いてくれるからである。油断ならないと思われてしまえば、過剰な警戒や対抗心の対象となり、身動きが取りにくくなる。実績を積んでいけば目立ってしまって警戒対象となるが、過小評価されるよう努めれば、ノーマークになり得策な場合が多い。

以前、ヒューレットバッカードとコンパックが合併する際に、女性のフィオリーナがヒューレットパッカードのCEOに就任したが、伝統的なシリコンバレーの企業のCEOとして成功するためには、女性であって経験も浅いと思われていたため、実力が過小評価され、最終的に合併を可能にすることができたという。委任状争奪戦の最中、相手を油断させて、勝利したのである。

そしてもう一つ、隠し玉の存在を隠すためにも、相手にじっくりと考えないようにさせなければならない。つまり考える時間を与えないという作戦だ。そのために、緩いと思わせつつも、猛攻を続けるという作戦である。

(教訓)
〇相手を油断させることが、こちらの勝機になる。過小評価されているならば、敢えてそれを使え。
〇相手に考える時間を与えずに攻撃を続けるのも戦略の一つだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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