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ビジネスには社会的・経済的要求があるかを考えよ

経済的な要求が政治の統一を促した例は、歴史上にいくらでも実在する。

ジンギス汗のモンゴル帝国が巨大な統一国家を形成しえた原因の一つは、シルク・ロードを往来する交易商人の支持があったことだ。街道に沿ったオアシスの一つ一つが独立した小国家であるような状態では、街道全体の治安が保たれにくい。加えて、それぞれのオアシス国家が欲しいままに交易税や通行税をとりたてるのだから商人たちにとっては溜まったものではなかった。

(解説)
ヤンが同盟首都ハイネセンへ向かう途中に、歴史書を書こうとして、色々と思考していたときの独り言であった。

経済と政治と言うと大ぶろしきに聞こえるが、そもそも「こういう儲け方をしたい」と起業家が考えて、自分一人ではできないからといって、不足分を補うために組織化したものが会社組織というものである。ビジネスの世界においては、経済的な要求が組織化するというのが当たり前と言える。

歴史上の知識としては、ジンギス汗が強大な武力でユーラシア大陸を統一したイメージであるが、それだけの軍隊を養え、統率できたのは、その時代に望まれたことや、バックアップしてもらえる資金があったからと言ってよい。確かに、独立小国家が乱立しては、商人もいちいち税金も取られて大変だし、秩序が保たれない危険性が高い。ジンギス汗がモンゴル帝国を統一しても、盗賊は絶えなかったであろうが、現代の感覚からすれば、国が司法や警察を整備して、秩序維持に努めるが、国家にそれだけの力がなければ秩序維持が不可能である。それは、盗賊の温床となると想像できる。

色々なサービスが乱立していると、色々な取引が発生し、不要なサービスが目に付く。この点、ワンストップサービスになると、消費者としては、サービスの提供が受けられ、消費者が自ら思考しなくとも、きちんと穴をふさいでくれる。窓口が一つの方が便利、というのも、消費者フレンドリーなものとなる。次第にそのような方向性になっていく、つまり専門家が一人で行うよりも、様々な専門家が窓口を一つにして、消費者へのサービスを提供していくのも、いわゆる経済的な要求が、組織を作るという例ともいえる。

(教訓)
〇会社組織とは、経済的な要求によって形作られた一つの形である。
〇社会的な要求がなければ、会社組織にも意味はない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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