15日の2時を過ぎることになると、同盟軍の将兵の心身両面で、エネルギーの欠乏が目立ち始めた。睡眠不足と過労のため、兵士たちの判断力と集中力は極度に低下し、動作も鈍重かつ粗雑になっている。自己保存の本能すら、加速度的に衰微しているようで、内部情報の収集分析を命じられたヤン・ウェンリー准将としては看過するわけにはいかなかった。
「一時、タンク・ベッド睡眠をとらせて休息を与えてはどうか」
そう進言してみたが、「その間に敵襲があったらどうする」という理由で却下されてしまった。こうなると、流石に腹立たしい。戦闘が長期にわたった場合、どのように将兵に休息を取らせるか、そこまで考えるのが司令官の責務というものではないか。
(解説)
午前2時頃になると、エネルギーの欠乏が目出ち、睡眠不足と過労で、判断力や集中力は低下、動作も鈍重で粗雑、よくわかるわ。そんな状況で仕事を続けさせるのが根本的に間違っている。それで、朝5時まで働いても、8時には出社である。身が持たない。それでも仕事があれば、そうせざるを得ないが。週に何度もなければまだいいのだ。それが週に何度もあって、さらにそれが毎週となるとさすがに気が滅入る。若いうちは耐えられたがもう無理である。
「仕事があるんだ、やれ」ではないだろう。そんな仕事を取ってくる会社に問題がないか、あるいはそんな仕事があるのであれば、それだけそのための人員を確保し、今週はAチーム、来週はBチーム、せめて一月に1週間だけ、一日3時間睡眠で1週間頑張りとおす、というように、「どのようにスタッフに休息を取らせるか」を考えるのが、上司の役目ではないだろうか。まあ、そんな上司も経営者に対して、そう言いたいのだろうが。結局は上次第と言ったところだ。
当然、上記のような仕事をさせるような会社は、年俸を高く払うことになるが、長続きはしない。人間、そんなに寝れないで続くわけがない。中にはショートスリーパーもいるだろうが、稀である。部下のタスク管理だけでなく、スケジュール管理、モチベーション管理、体調管理、メンタル管理までできて初めて、マネジメントと言うのである。
(教訓)
〇短期的ならやむを得ないが、長期にわたった場合、どのようにスタッフに休息を取らせるかも、管理職の責務である。
〇部下のタスク管理だけでなく、スケジュール管理、モチベーション管理、体調管理、メンタル管理までできて初めて、マネジメントと言える。