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経営者は常に先に行くべし

「去年のワインのまずさをなげくより、今年植える葡萄の種について研究しよう。その方が効率的だ」

・・・どうか、皇帝よ、私に反抗の隙を与えないでいただきたい。私はあなたを歴史の舵手に選び、あなたを擁立し、あなたの軍旗を誇らかに仰いできた。その事を後悔させないでほしい。あなたは常に私の前を歩み、しかも光輝に満ちているべきだ。消極的や安定等があなたの光源になり得るのか。比類なき覇気と行動力こそあなたの進化であるものを・・・

(解説)
第一弾はラインハルトが、レンネンカンプの自害について、ロイエンタールと話をしているときに出てきたセリフである。終わってしまったことを嘆いても仕方がない。後悔したところで始まらない。まさに覆水盆に返らず。後悔して前の失敗がリカバリーできるのであれば、それほど楽なことはない。現実的には、過去の失敗はこれからの行動でカバーするしかない。過去の失敗が未来の糧になればそれで十分だろう。

第二弾はロイエンタールのラインハルトへの思いである。世の中の経営者の大半が、稼いでいるけれど、あっそうと一言で言えてしまう連中ばかりだ。ある経営者の下で働こうという場合には、この人について行くと、自分で見れない未来が見える、自分で稼ぐとしたら、いくらくらいしか稼げないが、この人の近くにいれば、もっと稼げそうだ、と夢を持たせることが必須なのだが、大抵は、従業員の方では、給料がもらえればいい、というくらいの考え方しかない。そういう従業員が集う会社の経営者もまた、たかが知れてしまう。

経営者がギラギラしていないと、従業員もまたギラギラ系は集まってこない。もっとも野心のある連中ばかり集まってきても、良質な組織にはならないかもしれない。

別に、普通の会社よりも高い給料を支払え、と言っているのではない。ついていけば別の世界を見せてくれそうだ、と思わせる、夢を従業員に持たせるくらいの経営者でなければ、未来は作れない。このような社会を作りたい、というビジョンである。

当然、積極性の裏側には経営上のリスクが付きまとうから、従業員としては安定して給料をもらえればそれでいいです、と思う気持ちもやむを得ない。ロイエンタールがラインハルトに期待しているのは、あくまでも比類なき行動力と覇気、積極性である。魅力のある経営者にはそれらがある。消極的や安定性とは真逆である。

(教訓)
〇魅力的な経営者は、従業員に夢を見せることができる。
〇魅力的な経営者は、比類なく行動力、覇気、そして積極性がある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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