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経営者は戦略家たれ

戦略家は「多数をもって少数を撃つ」ことを思考の基本とするのに、戦術家はしばしば「少数をもって多数に勝つ」ことに快感を覚える。戦場において奇略を発揮し、敵の戦略的優位を劇的に覆すことに最高の美学を見出すのである。
「誰もが負けると思っている土壇場での、信じられぬ逆転勝利!それは古来、無数の戦術家を滅亡に誘い込んできた魔物のささやきである」
とは、人類社会において西暦が用いられていた当時からの警句であり、それはラインハルトの時代まで変わらぬ真実であった。

ラインハルトは、これまでその甘美で危険な誘惑におぼれることはなかった。大軍を編成し、それを動かすべき時機と場所を選び抜き、卓絶した指揮官を登用し、補給と情報伝達に留意した。前線の将兵を、彼自身も含めて、餓えさせたことは一度もない。彼が凡百の無責任な軍事的冒険家ではなかった証明が、そこにある。

(解説)
野球やサッカーでは、大抵強いチームは、栄枯盛衰はあれど、ほぼほぼ強い。たまに確変で弱小チームが優勝することもある。お金をかければ絶対優勝するわけではないのが、面白い所ではあるが、現実的にはお金をかけたチームは、優勝回数も大きいという現実は何一つとして変わらない。確変以外では、今は亡き、野村さんは、絶対的に結果を出し得たわけではないが、お金をあまりかけられない弱小チームや他のチームでは使い物にならなかった選手を再生させたことが数多かった。いわゆる野球通:からすれば、これほど痛快な監督と言うのはいらっしゃらなかったのではないか。上記でいうところの「少数をもって多数に勝つ」、奇略を発揮して敵の戦略的優位を劇的に覆した、これを実践できた数少ない名将であったろう。ただ、これは所詮戦術家にすぎない。歴史が示しているように、お金をかけたチームの方が優勝回数は多い。つまりお金をかけることで戦力を整えるという考え方だ。アンチを生む考え方だが、結果は出しているし、これが「多数をもって少数を撃つ」ことを思考の基本とする戦略家なのである。奇跡は起きたときは感動するが、起きにくいというのが現実である。

さて、戦術家もどきは、個々の能力で現在を打開したがる。つまり、個人に営業のノルマを課すことで、なんとかしろ、とほざく。しかし奇跡は起きにくいのだ。そのような優秀な個人もいるだろうが、現実的には少ない。経営者は戦術家であってはならない。あくまでも戦略家であるべきだ。世間で売れる商品を開発する。そういったことをしていけば、営業の個人の能力に依存しきるわけではない。きちんと勝てる戦力を整えることをやっていかなければならない。

(教訓)
〇経営者は戦術家ではなく、戦略家を目指せ。
〇個人の能力に依存するのではなく、チームで現在の状況を覆せ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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