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最前線で戦うのが真のリーダー

「もうすぐ戦いが始まる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利に比べれば、大した価値のあるじゃない・・・それでは、みんなそろそろ始めるとしようか」

ヤンはおよそ猛将等と言うタイプではないが、戦いの時は常に最前線に位置し、特に敗戦のときは必ず最後尾にいて味方の退却を援護してきた。それが指揮官としての最低限の義務だ、と彼は思っていた。

(解説)
戦闘が始まるときに、ヤンは将兵に対して演説をした。それが前段である。リーダーとして大切なことは、自分の言うとおりにやれば勝てる、といって、一般兵を安心させることだ。そして、それは無責任な発言では当然ダメで、安心させる結果をもたらすものではなければならない。当然、やらなければわからないことも多いが、最終的に目的を達成できればいい訳で、その間に起きた事象を素早く分析し、二の矢、三の矢をうてる準備をしておけばよい。決してネタを切らせてはいけない。そして、そのための試行錯誤は、実行中も行うことは確かだが、全てのシナリオ分析を予めしておかなければならない。Aと言う事象が生じたらD、Bと言う事象が生じたらE、Cと言う事象が生じたらF、Aの次にGと言う事象が生じたらJ、Aの次にHと言う事象が生じたら・・・とありとあらゆることを想定しておくべき必要がある。これは将棋やチェスのように、常に何手先も読んでおくのと似ている。

また、指揮官が前線で戦うなどナンセンス、という考え方がある。指揮官が死んだらどうする、とは言うが、正直指揮官なんて、誰がなったところで同じ、ではなく、ある人が死んでも、次の指揮官が準備できるようにしておくのが組織である。

社長が死んだら、副社長、副社長が死んだら、常務取締役、といったように代わりが出てくる組織にしておかなければならない。だから、私が死んだら組織が終わりだと、言っているバカがいたら、そんな組織にしたお前がバカなのだ。それは一国の大統領であろうと総理大臣であろうと同じだ。指揮官は遠くにありて思うものでなくてもいい、さっさと前線に立って、兵士を鼓舞してこい。それで死んだら、次の者が立てばいいだけの話だ。それが強固な組織というものであり、尚且つ、上に立つ者の役目だ。自分はトップだから、自分は危険のない所にいないと組織が、という臆病者は、トップに立つ資格などない。サッサと死んで来い。正直、国は、お前がいなくても回る。

特に経営の場合は、社長が全線で戦っている場面を見せれば、これほど、従業員にかける発破はない。従業員がやる気を見せないのは、こんな上のために犠牲になるのが嫌だからだ。

(教訓)
〇私についてくれば勝てる、と言い切れるのが真のリーダーである。
〇真のリーダーは、前線に出て命を懸けて戦う者である。私がいなければ組織が、何て言いうリーダーは、次のリーダーを育ててこなかったお前がバカなだけだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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