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リーダーはスタッフの生活に責任を持て

現在の状況で帝国軍と本気で戦ったとしても勝算はない。個人が勝算のない戦いを挑むのは趣味の問題だが、部下を率いる指揮官がそれをやるのは最低の悪徳である。

長駆侵入してきた帝国軍に打撃を与えるには、同盟軍に強力な秘密部隊があること、その舞台が帝国軍のフェザーン方面への退路を断とうとしていること、以上の二点を帝国軍に信じ込ませ、将兵の心理的同様と兵力の分散とを誘うしかない。相手は戦争の天才ローエングラム公であるから、必ず真相に気づくに違いないが、いささかでも時間は稼ぐことができる。そのことを、なぜ、あらかじめビュコック司令長官やチュン・ウー・チェン総参謀長に知らせておかなかったのか。知らせておけば、彼らにも別の戦い方があったであろうに、彼がなすべきことをおこなったために・・・。

ふいにヤンは首をすくめ、「あぶないあぶない」とつぶやいた。自己嫌悪の浅い池の底に、深い穴が開いていることを悟ったのである。自分がこうしていれば自体を変えることができた、思いこむのは、自己過信と言うべきではないか。今回はこれで十分と言わねばならない。最悪の場合、ビュコックらが完全に壊滅された後、のこのこと戦場に現れて各個撃破の標的となる醜態をさらすという可能性もあったのだ。それに、どうにか同盟軍の壊滅を救い、帝国軍が後退したからには、急いで軍を返してバーラト星系に戻り、無防備の首都にロイエンタール軍が殺到するのを防がなくてはならなかった。

(解説)
従業員は、とりあえず入社した会社や関わったリーダーを信じてついて行くしかないのだが。中には勝算のない戦いに挑むアホなリーダーがいる。個人事業で勝手にやっている分には趣味の問題と言えるが、部下を引きいるリーダーがそんなことをしていたら、最低の悪徳である。ただ、なんかついて行きたくなるリーダーはいるものだ。とはいうものの、そういう個人の趣味に走るリーダーに遭遇したら、速やかにその場を去るべきだ。生活費がもらえなくなる。

誰しも実感することだが、生活費がなくなれば、生活できなくなるだけではなくて、次の職場を探すのが困難になる。家賃が払えなければ、追い出され、さすがに今の住まいはネットカフェですとは言えないし、ましてや携帯代も払えなければ、入社を希望する会社の人事部との連絡が取れなくなる。給料の前払いはないことはないが、入社時にお願いするわけにはいかなかろう。通常は1か月後に給料は支払われるわけだから、その位まで耐えられる資金を持っておかなければならない。とにかく給料をもらえない可能性のある会社からはすぐに去ることだ。本当に笑い話ではない。動けるだけの金を残しておくのも、仕方がないのだ。他人の夢なんかに足を突っ込むべきではない。

さて、次はリーダー側の視点から。どんなに優れたリーダーでも、千里眼を持っている人間はいない。だからこそ、そのときそのときに最善を尽くすしかなくて、その結果がベストでなくても、ベターならば、その結果をとりあえず良しとして、自分を褒めてあげよう。このときにああしていれば、もっといい結果が、と言ったところで始まらない。同じような状況が訪れたときに、二度と同じ過ちを犯さなければよいだけだ。自己嫌悪に陥ってしまうと、よりドツボにはまって、身動きが取れなくなることもある。自分の気持ちを軽く解き放ってあげよう。

(教訓)
〇リーダーは従業員の生活に責任を持て、持てない奴は人に仕事を依頼するな。
〇リーダーは、その時に最善を尽くせ、その結果、ベストでなく、ベターでも、まずは良しとして自分を褒めよ。ベストでないことで自己嫌悪に陥ることもない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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