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経営者は自ら前面に立て

「・・・おそらく彼は、同盟が勝利を得る唯一の方法をとるため、麾下の兵力を自由に行動させたかったのだ」
「唯一の方法・・・?」
「わからぬか。戦場で私を倒すことだ」・・・
「ヤン提督の狙いを見抜いておいでなのに、やはりご自身で陣頭にお立ちになりますの?」・・・
「フロイライン・マリーンドルフ、私は覇者たろうと志してきたし、それを実現するために一つの掟を自分自身に科してきた。つまり、自ら陣頭に立つことだ。かつて戦って倒してきた能無しの大貴族共と私が異なる点はそこにある、兵士たちが私を支持する理由もだ」
・・・
「フロイライン、どうせ宇宙をこの手でつかむなら、手袋越しにではなく、素手によってでありたいと思うのだ」

(解説)
ヒルダとラインハルトの会話である。

ラインハルトの掟とは、自ら陣頭に立つこと。これを言える経営者は見事である。まあ、小さい企業の経営者であれば、当たり前にすぎないが、ある程度会社を大きくしてしまうと、ほとんど部下に任せきりになる。自分で動くことすらしなくなる。

普通はそれでも会社は回るのだと思うが、任せきりになったとたん、会社は衰退する。もちろん、よほど、自分の意図を組んでくれるナンバー2がいれば話は異なるが。

戦争においては、本来、大将は安全なところにいるものだ。それは、大将がいなくなったら、お家断絶、組織の壊滅になるからである。しかし、今、社長が前面になったからと言って、命の危険何なんてあるだろうか。ないだろう。であれば、前面に立てない理由はない。

部下だって、大将が前面に立っていれば、そんな大将に恐縮してしまう。自分こそ頑張らねばと思う。借金が返せなくて、経理に、借金取りの対応を任せるような社長に、ついて行こうと思うか。思わないだろう。営業だって、社長が前面に立って、土日祝日も休むことなく、いつ寝ているのだと思うくらいに働いていれば、頼りにされる人材にならなければならないと発奮するものだ。それが、熱い夏にはクーラーの効く部屋にいて、寒い冬には暖房の効く部屋にいて、部下に指示しかしていなければ、働いている方がばかばかしくなる。楽をしやがって、としか思わない。毎日とは言わないが、大将こそ、前面に立つべきだ。そうすれば、顧客ニーズも感じ取り、魅力的な商品開発に対するアイデアだしもできるようになる。

部下に好かれる経営者は、現場で一緒に汗をかく。初めて、この人について行こうと思う。

(教訓)
〇経営者は自ら陣頭に立て。安全なところで隠れているな!
〇経営者は現場で、従業員と共に汗をかけ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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