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従業員に楽をさせるという発想が会社に利益を生む

「・・・もともと同じ同盟軍だ。戦って勝ったところで傷が残るだけだからね」
「ほんとにそうですね」
「だから、戦わずに降伏させることを考えてみよう。その方が第一楽だ」
「兵士は楽でしょうけど、司令官は苦労ですね」
・・・・
「ところが世の中の半分以上は、兵士を多く死なせる司令官ほど苦労していると考えるのだ」

(解説)
ドーソンから4か所の叛乱の平定を銘じられたヤンは、ユリアンと作戦について話し合っていた。4か所を同時に攻めるのは困難と考え、二人でブレインストーミングした結果、戦わず降伏させるという結論に達した。

しかし、戦略の立案から実行まで、兵士をあまりに働かせずに効果を上げるというのは、リーダーの頭をフル回転させることになる。

今のビジネスを見てみると良い。いかに多くの従業員を酷使させるかが、経営者の利益を上げる手段だと誤解しているのがよく見える。逆に多くの従業員に楽をさせ、天国のような環境、従業員としては大して働かず、定時に帰れて、アフターも充実し、人一倍お金がもらえる。まあ、そんな夢みたいな話はそうそうあるわけではないし、そうするのが経営者の責務だといっているわけではない。

しかし、手数をかけずに、従業員に過度な負担をかけることなく、会社も利益が出て、従業員にも利益になる、そんな仕組みを考え出せれば、絶対的に勝者になれる、とそう考えるべきであろう。

それは、ビジネスモデル、そして差別化にある。他社と差別化できていない商品を売ることは大変だ。どうしても価格競争に陥るし、営業にも過度なプレッシャーをかける。安い値段で提供すれば、その商品を製造するファクトリーにも過度な負担をかける。しかし差別化で来ていてプレミアムがある商品ならば、ある程度高い値段でも売れる。

そういった製品を考えるのが会社としてやるべきことだろうと思う。それを考えだすのは経営者でなくてもいい。従業員からのアイデアを募集するでもいい。会社全体が楽できるように考えるのが経営者の務めである。プレッシャーをかけて営業成績を高め、会社としての成績を上げたところで、そんな経営者であれば、腐るほどいる。存在意義などない。

(教訓)
〇従業員に楽をさせるという発想が、ビジネスモデルの変革を生む。
〇効率化は、従業員や外注先に負担をかけることではない。仕事をなるべくしなくても、同じ成果が出る仕組化にある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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