世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

ガス抜きは成長のために必要な休息

「まあ、人間の愚行というものは、ある程度は多めに見るしかないのです。人間というパンは、道徳という小麦粉と欲望という水を練り合わせて作られるものでしてな。小麦粉が多すぎればかさかさするし、水が多すぎれば簡単に崩れて形をとどめない。で、この小さな衛星は、カサカサのパンに水を補給するための存在です。情事も賭博も酒も喧嘩も、まあご自由に、ということなのですが、麻薬となれば、寛大でい続けることもできません。細い藁でもないよりはマシ、というわけでしてな」

(解説)
パン作りには、こね、発酵、成形等色々な工程がある。その工程の一つとしてガス抜きがある。生地をこね上げた後で発行を行うが、イーストの活動によって炭酸ガスが発生する。このガス抜きを行うことで、きめが細かくなる。それによって触感がよくなり、見た目も美しくなる。次にグルテン組織を直接刺激することにつながり、グルテン幕が膨らむときの張力を強化することで、パンのボリュームがアップする。さらに、古い炭酸ガスを抜き、新たな酸素を取り組むことで、イーストを活性化させる。炭酸ガスの発生が多くなれば、パン生地の発行が促進され、パンのボリュームが増す。

つまり、パンのガス抜きによって、きめが細かくなり、美味しくなり、見た目も良くなり、ボリュームも増える。ガス抜きをした生地では、丸くなる。ガス抜きをしていない生地では歪んだ形になる。

パンと同様、人間もガス抜きが必要である。そのガス抜きは要はストレス発散というものだが、その発散のときに、他人にそのマイナスエネルギーをぶつけてはいけない。いわゆる愚痴である。みんなで言い合っているならばまだしもだ。多くの人が個人でストレス解消法を持っているだろう。酒、たばこ、ギャンブル、スポーツ、旅行、音楽鑑賞等。なんでもいい。たまにはガス抜きを行え。そうすれば、人間丸くなる。いびつさが取れる。普段真面目な人ほど、他人に迷惑をかけない程度の悪(というよりおふざけ)に染まっても良いのではないか。

上記パンの例えは、会社にも言える。道徳という小麦粉と、欲望という水でできている。道徳がありすぎても、儲からないし、欲望がありすぎても、儲からない。そのバランスの良い程度の分量であって、よくこねること、ガス抜きを組織的に行う。つまり冗談やおふざけを取り入れることが重要ではないか。

(教訓)
〇真面目一辺倒の経営はするな、遊びやおふざけを取り入れろ。
〇ガス抜きによって、会社は良い形で成長する。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする