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動乱時にこそ動け

誰でも最初は無名の存在なのだ。エル・ファシル以前に、誰がヤン・ウェンリーの名を知っていた?・・・

「平和な時代なら、まだ私は無名のままさ。歴史学者の卵で、まだひよこにすらなっていないだろう」

・・・真面目な表情になってユリアンに説教した。目上の者を、あまり面と向かって賞めるものではない。相手が軟弱な人物なら、自惚れさせて結局ダメにしてしまうし、硬すぎる人物なら、目上に媚びる奴だと疎まれるかもしれない。注意することだ・・・。

(解説)
動乱の時代は、無名が有名になるチャンスともいえる。もちろん有名になったから、だから何だではあるが、有名になりたい人にとっては、社会が不安定なときにこそ動くべきである。

戦国時代と言われる時代であったからこそ、豊臣秀吉や徳川家康のような人物が出てきた。特に秀吉はどこの誰だかわからない一般平民であった。

動乱期は、右肩上がりの社会ではないから、将来どうなるかわからない。こういう時はみんなからに籠って動かない。先行きがわからないからだ。だからこそ、動いたもの勝ちになる。もちろん動いたからと言って無名が有名になれるわけではない。動いた結果失敗をしてより悲惨な目にあうこともないとは言えない。しかし、動かない人よりはチャンスを掴む機会に恵まれる。

さて、後半は、ヤンがユリアンから褒められて、逆に説教し返すのだが、経営者は居心地の良さから、イエスマンばかりを身の回りに置くようになる。「ナイスですよ、ご隠居!」と江戸時代なのにナイスとはこれいかにという、うっかり八兵衛の台詞であるが、能力のないものは、上に媚諂うしかない。ご隠居は人格者だから、褒められて自惚れることはしないが、普通の人間だったら、うぬぼれて、組織のために何かをしようとは思わなくなるだろう。自分のために金を使うことしか考えなくなるものだ。だから、苦言を呈する部下が必要なのだが、まあ、そういう部下は疎まれ者にしかならない。そのようなリーダーのいる会社は長持ちしないから、部下は安心して、転職しよう。

(教訓)
〇先行きがわからない動乱時にこそ動き、無名から有名に自分を変えろ。
〇上にこそ苦言を呈せ。それが組織を強くする。まさに弱きを助け、強きをくじく、を基本にせよ、それは全て組織のためなのだ。わからずやが上にいるならば、安心して転職しなさい。自分が上にいる時は、苦言を呈する部下こそ大切にしろ。それは組織のためでもあり、あなたのためでもある。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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