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事務処理能力が高いことをビジネスができることと勘違いするな

皇帝ラインハルトの在世中に、事態が好転しなければ、共和政府は彼の後継者を対立ないし交渉の対象とすることになる。ラインハルトが結婚して世嗣をもうけている場合と、後継者なく死去した場合とでは、当然ながら対応は異なって来るであろう。後者の場合に限っても、混乱の後に新しく統一的な指導者が誕生するか、長く混乱と分裂が続くか、それによって対応が異なってくるのだ。コンピューターなら「データ不測、予測不可能」と答えて責任を放棄しうるが、人間はそうはいかない。

「お疲れでしょう、ヤン夫人」
「少しね。でもよくわかったわ。自分の構想を持って事業を進めるのと、与えられた権限の範囲の中で事務を処理するのとは全然違う・・・」・・・
「これからは自分で自分の行動原理を創り出していかねばならないのね。・・・」

(解説)
シナリオ分析ができるのも人間である。もっとも予め人間がシナリオを設定しておけば、情報分析に基づいて、AIでも解答を出すことができる。AIの場合、データが不足していれば、解答を出すことはできない。人間であれば、データが不足していたとしても、断片的なデータから、とりあえずの回答を出すことはできるだろう。もちろん断片的だから、間違っているかもしれない。その時はすぐさま、失敗した原因を探して、修正し、別の解答を用意することはできるだろう。

人間ならばできる、はずなのだが、人間でもデータ不測とか、そんなことしたことありませんで、動きが止まってしまう奴が少なくない。こういう動かない奴に限って、ある人が断片的な情報から、行動の選択肢を与えて、失敗すると、選択肢を考えた人間をボロクソに言う。人間の癖に、お前が考えろ!ともいいたくなる。それが従業員レベルであればまだしも、経営者にも、目の前で今まで体験してないことが起こると、自分で考えて行動しない奴がいるのだから困ったものである。結局、自分で判断をしない経営者は、どこかで消えていなくなっているものだが。

経営をしてみると、自分で構想をもって事業を進めることと、与えられた権限の範囲の中で事務を処理するのとはまるで違うことがわかる。事務処理能力が高いと、自分は仕事ができると思いがちだが、そのほとんどは事務処理能力が高いだけで、ビジネスができるわけではない。何を行動するかを誰から与えられるわけではなく、自分で何を行動することを決めることができるのが経営者だ。面白味は尽きない。

(教訓)
〇人間は、データが不足していても、断片的なデータからとりあえずの解答を導くことができる。そして失敗したら、修正をして、新たな解答を導き出せる。
〇事務処理能力が高いことと、ビジネスをする能力が高いことはまるで異なる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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