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困った時には知人を頼め

そして、この四日間、ユリアンは裏街の隠れ家にひそんで、フェザーンを脱出する方法を探り続けていた。・・・
マシェンゴがユリアンに紹介した男は、頭髪も薄く、身体もたるんでおり、生活に疲れた中年男と言う印象だった。・・・
「私はマリネスクと言いましてね、ベリョースカという独立商船の船長代理をしています」
男はそうなの理、ユリアンに向って、自分が役に立てると思う、と告げた。・・・
「実は、まるきり縁がないわけじゃないんです。あなたと私とはね。間に二人ばかり挟まっていますが」
「二人?」
「私どもの船長ポリス・コーネフと、少尉の保護者ヤン提督です。二人は子供の頃、まあ親友と言ってよい仲だったそうで」・・・
完全な自信があるとは言えなかった。しかし他に方法はないし、いずれにしても誰かを信用して生命と運命を預けなくてはならない身である。コーネフと言う人物はヤンの幼馴染と言うほかに、イゼルローンの撃墜王イワン・コーネフが言っていた「フェザーンの従兄」ではないか、と言う気がユリアンにはするのだが、当人に会ってみないことには確認のしようがなかった。

(解説)
帝国軍がフェザーンを占領し、敵国の軍人であるユリアンは、フェザーンから逃亡を図らなければならなかった。しかし、誰も頼れる人がいないとき、とはいえ、誰かを頼らなければらない場合には、知人を頼るしかない。その知人さえいなければ、知人の知人でもいい、さらには何かゆかりのある人でもいいかもしれない。

例えば、同じ都道府県出身、同じ町の出身ならなおよし。あるいは同じ高校や大学を出ていたことがある。共通の知り合いがいる等。さらに藁をもすがる思いであれば、同じサッカーチームを応援しているとか、共通の趣味がある、苗字が同じだ、名前が似ている等でいい。さらには、何かどこかであった気が・・・、昔から知り合いだったような気がするの勘違いでもいい。

そんなの知り合いじゃないよ、と思うが、誰も頼る人間がいなかったときの究極の人の選び方だ。ちょっと接点があれば、それが縁だと思うのが良い。

(教訓)
〇困った時には友人や知人に泣きつけ。
〇さらに困って、誰も知人がいなければ、少しでも接点を見つけて、その人を信じろ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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