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組織がパニックになった時の対処法

カイザーリンク中将麾下の帝国軍は、同盟軍の行動を巧妙に探知し、時機をはかって効果的な奇襲をかけようとしていた。ところが、その時機が来ないうちに、指揮官の命令を無視して帝国軍は乱射を始め、同盟軍の逆襲を浴びてしまった。

いざ戦いとなったとき、帝国軍はぶざまにも、雪崩を打って潰走し、同盟軍の苛烈な追撃船の一方的な被害者となったのである。奇襲をかけるべく潜伏していた艦隊が、敵中で自らの位置を明らかにしたのだから、その帰結は当然のものであった。

一方的な失敗による一方的な敗北。「敗者に敗因あって勝者に勝因なき」・・・
カイザーリンクの無能、ことに狂乱化した部下を鎮静し得なかった指導力の欠如が、糾弾の対象となった。

(解説)
不祥事が起きたとき等、組織がパニックになることがある。事前に不祥事マニュアルを作っておいて、予行練習をする等必要だが、経営者は組織のパニックを鎮静化しなければならない。そのために必要な心掛けは以下のようなものである。

(a) 従業員の気持ちを落ち着かせ、自らは最前線で存在感を示すこと。
(b) 事件に対処してくれている人間に感謝を示すこと。
(c) 現場の人間をとにかく信頼すること。何が起きているのかを知っているのは現場の彼らである。現場の自由度を確保せよ。
(d) 安心させるためにコミュニケーションを保ち、不必要な質問はしないこと。
(e) リーダーは自ら最重要事項に関与して、優先順位を決断すること。
(f) パニック状態にある従業員を隔離すること。

パニックになると、動きが止まるか、逆に普段とは違う行動を取ったり、叫んだりわめいたりする。パニックの原因を速やかに排除することは困難であるから、まずは関連者一人一人が何をするべきかを明確にする。細切れにして、その事だけに集中させる。全体像を把握しているのは、リーダーとその取り巻きだけでいい。やることだけに集中させれば、感情をコントロールすることはできる。そして、パニック沈静化するスタッフ以外には、普段のことを淡々と行い、対外的には、対応しないように伝えること。

(教訓)
〇パニックが起きたときには、従業員の気持ちを落ち着かせ、自らは最前線で指揮せよ。
〇個々人のやることを明確し、そのことだけに集中させろ。感情はコントロールできる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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