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向き不向きがある

彼(ラインハルト)の望む参謀とは、必ずしも軍事上のものとは言えない。それならラインハルト自身もキルヒアイスで十分だ。むしろ政略・謀略方面の色彩が濃い。これからは、宮廷に巣食う貴族共を相手に、その種の闘争が、はっきり言えば陰謀や騙し合いが増えるだろうと、ラインハルトは予想している。とすると、その方面における相談の相手としてはキルヒアイスは向いていないのだ。これは知能の問題ではなく性格や思考法の問題なのである。

(解説)
この世には向き不向きがある。普通の人の感覚としては、スポーツの得意な人は得意。でも勉強が得意なわけではない。勉強の得意な人は得意。でもスポーツが得意なわけではない。スポーツにしてもバスケが得意だが野球は苦手。色々とあるはずなのだが、仕事だともっとごちゃ混ぜになっていないだろうか。

むしろ、会社が人を辞めさせたい場合に、事務職から営業へ、事務職から店長職へ等、移そうとしているかのようだ。まあ、自分の居場所がないと分かった時点で、今の会社を辞めて他に移ればいいものの、いつまでもしがみつこうとするからそうなる。

業種によっても向き不向きがある。上記例で言えば、軍事と政治は、使う頭がかなり異なる。これは頭がいいからと言うのとはほぼ無関係だ。そして性格もある。向いていないことを勉強がてらやってみることをお勧めするのは、決して悪くはないのだが、もう少し、組織は適材適所を考えた方がいい。こりゃ無理だと思ったら、労使とも、早急にアンタ向いていないけどどうする、と言う話し合いは必要だ。それで労働者が今の待遇を棄てたくないのであれば、会社に従わなければならない。それで不当に扱われたとかいう奴。お前の存在の方がよほど不当だと言い切っていい。

少し厳しい言い方をしているようだが、時代と共に需要や供給というものは変わりうる。自分は変わりたくないという気持ちは今すぐ捨てろ。はっきり言って迷惑だ。会社の売上は変動するのに、自分の給料は変えたくないという考え方が間違っている。

また、個人レベルでも向き不向きを考えた方がいい。お金がいいからと言って向いていないことをずっとやり続ける方が、よほど非効率だし不健康だ。自分が向いていると思ったことを何歳になっても思い切ってやってみる。年齢が年齢だから、雇ってもらえないだろう、という考えも捨てろ。今すぐ自分でやれ。自分が向いているという事を。

(教訓)
〇向いていないと思うことにはしがみつくな。さっさとやめて次に行け。
〇性格や思考法でどうしても無理なものは無理なのだ。やらせる方も悪い。続ける方も悪い。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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