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リーダーは絶対に他人のせいにはしない

「陛下、わが皇帝、私は軍務尚書オーベルシュタイン元帥、及び内務省内国安全保障局長ラングの方こそ弾劾します。ヤン・ウェンリー一党がイゼルローンに拠って帝国に公然と敵対しようとしている今、陛下の首席幕僚たるロイエンタール元帥を誹謗するとは、軍の統一と団結を損ね、結果として利敵行為に類するものではありませんか」
「ミッターマイヤー、そのくらいにしておけ、卿の口は大軍を叱咤するためにあるもの、他人を非難するのは似合わぬ」

「ロイエンタール元帥が陛下の功臣であり国家の元勲であることは万人の知る所です。もし流言を軽々しく信じて功臣をおろそかにするようなことがあれば、人心は動揺して、自分たち自身の地位にも不安を抱きましょう。陛下、どうかご明察あって公正なるご処置をたまわらんことを」
「ほう、予がロイエンタールを処断したがっているように見えるか」

(解説)
ロイエンタールの謀叛の嫌疑につき、話をしているときに、ミッターマイヤーはたまらずラインハルトに語り掛けた。それに対して、ラインハルトの言葉である。ここでミッターマイヤーはミドルマネージャーと言えるが、リーダーとしては、自分の言葉は他人を誹謗中傷することになく、部下に対して、命令を行うために使わなければならない。

成功した経営者と成功しない成功者の違いは、前者が失敗の原因を自分にあると思うか、後者は失敗の原因を外部に求めるかの違いである。これだけで概ね、失敗するかしないかがよくわかる。成功した経営者は、問題が起こると、まずは内省する。そして改善を図る。成功しない経営者は、問題が起こると、必ず他人のせいにする。自分は悪くない、相手がバカなのだ。誰々から妨害された。相手から嵌められた。景気が悪い。政府の経済体制が問題である。まあ、色々と理由を考えるのだが、失敗の原因を外部に求めると、自分が反省することはないから、失敗の原因が改善されず、そのまま。つまり、永遠に良くならないのだ。

失敗の原因を自分に求めれば、改善するから、いずれ好転する。少なからず目の前で起こっていた問題は解決する。もっとも次から次へと問題点は起こるので、その問題点を次から次へとクリアしていかないとならない。

後段は、高級副官シュトライトとラインハルトの会話である。いかなる失敗があろうと、功労者を噂だけで、処断してはならないし、噂を信じてはいけない。噂は流した方に何らかのメリットがあることが多い。もちろん決定的な証拠があれば、話は変わる。一度証拠なく、噂を信じてしまえば、功労者は今までやってきたことがいかに意味がなかったのかを思い込むようになる。それが決定的な裏切りにつながってしまう。功労者は何が何でも処断せず、疑うな。決定的な証拠でもない限りは。

(教訓)
〇成功する経営者は、生じた問題を自分の責任にして改善する。成功しない経営者は、生じた問題を他人のせいにして、改善しない。だから問題が改善されずに残る。
〇経営者は、いかなる噂も信じるな。そして、功労者を疑うな。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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