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目の前のことに全力を尽くせば、先が見えてくる

「ラインハルトさま、何も連中の見え透いた策にのることはありますまい」
キルヒアイスの見解はやや異なる。ラインハルトが万能である必要はない。区々たる刑事事件の解決に優秀であるより、大軍を動かし諸将を統御するに卓越する方が大切であろう。憲兵本部の意図は露骨であった。ラインハルトが犯人を検挙し得なければ、憲兵としての能力不足を言い立てて、態よく追い出すつもりであるのだ。それならそれでよいではないか、と、キルヒアイスは思うのだが、ラインハルトはそんな彼に言うのである。
「なあ、キルヒアイス、俺たちは一度も負けなかったな。相手が何人でも、どんな奴でも」
「ええ、ラインハルトさま」
「これからも将来も決して負けない」
「はい、ラインハルトさま」
「・・・だから、目前の敵にも負けるわけにはいかない。どんな狡猾で辛辣な犯人であってもだ」

(解説)
やりたくない仕事というのはあるものだ。そしてやりたくない仕事の場合は、モチベーションも当然のことながら下がって当然だ。だからと言って、品質の悪い仕事をしていてはダメなのだ。

常に目の前のことに全力を尽くせ。やりたいことは一生懸命やる、やりたくないことは手を抜くことに癖を付けてしまうと、ほとんどのことがやりたくないことばかりだから、ずっとて抜くのが当たり前になってしまう。そして手を抜いた仕事では自分の能力を高めることなどできやしない。そもそも時間がもったいないではないか。

一生懸命にやってみると、やりたくねえ、と思っていた仕事の中に、光明が見えることもある。そのときに、意外と面白いじゃねえかと思ったり、あるいはビジネスのネタが浮かんでくることもあるのだ。そもそもやりたくない仕事というものは、本当は誰もやりたくはないわけだから、供給よりも需要の方が多い。厳密には潜在需要が多いというべきか。だから、世の中にはやりたくない仕事の方が多いと思った方がいい。もちろん、その人に向き不向きなことがあるから、その人のやりたくない仕事が全て需要過多とも言えないことも確かではあるが。

目の前のことに全力を尽くすことに癖を付けておけば、いざやりたい仕事に巡り合ったときにも、エンジンのかかりが早い。仕事は慣性の法則が働いている。一度止まってしまうと、エンジンをかけるのに時間がかかる。常に、フルスロットルで動ける準備をしておくと良い。やりたくない仕事で。

(教訓)
〇やりたくない仕事は、やりたい仕事よりも需要が多い場合が多い。つまりやりたくない仕事に巡り合う確率の方が高い。
〇目の前のことに全力を尽くす癖を付けておかないと、いざというときにスタートが遅れる。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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