「へへへ・・・しかし、まったく素晴らしい作戦だ!まさか敵も、この塵芥車の中のくせえゴミの中にプルトニウムが収まっているとは、想像もしまい!」
「ごみを集めて市中を毎日のように走る塵芥車・・・いわば裏方の役目だ・・・こういう人物に注意を向ける人は少ないからな・・・こそこそしないで、堂々と走ればいいのだ・・・なんならごみを集めながら行きましょうかね?へへへ・・・」
(ストーリー)
ベランはゴルゴが動く前に、警官にゴルゴを捕えさせた。逮捕の瞬間ゴルゴはベランの姿を見た。その容疑はプルトニウム239の強奪犯の一人だということであった。ゴルゴが嘘発見器にかけられているときにFBIのストロング捜査官がやってきた。そこでゴルゴは今回の強奪にはかかわっていないという。何故ならば複数人による犯罪であり、ゴルゴはチームを必要としていない。そして、ゴルゴがある人物を狙い、その人物がプルトニウム事件の犯人に仕立て、警察の目をゴルゴに向けておくのが目的でないかと看破した。
ストロング捜査官はむしろゴルゴを釈放し、行動を観察した方が今回の事件の真相が見えてくると考えた。
ベランはゴミ収集車の中にプルトニウム239を隠して、目的地に向かった。その収集車を追ってきた一台の車、そこから降りてきてゴルゴはベランを射殺した。
(解説)
「プルトニウム239(後編)」の一幕である。検問があっても警官もあまり除きたくないのがゴミ収集車だ。見るのも嫌だし、ましてや臭い。外から見て怪しくなさそうならば、サッサとその場から去ってほしいとさえ思う。
毎日走るゴミ収集車。誰もが毎日見かける存在であり、誰もゴミ収集車が犯罪で使われているとは考えない。誰も裏方には目を向けない。しかし、実は、裏方こそが縁の下の力持ちであって重要である。裏方こそ、遠慮しないで堂々としていていい。とはいえ地味な存在だ。
案外、目立たない方がどこかで目立つ存在になりえる。じっと我慢をして練習を黙々とした育成選手のようである。目立ったドラフト選手よりも力を付けていることもある。隠れている、目立っていない方が成長する。人も企業もそうだ。目立っている方が何か足枷をはめられていて、自由に延びない。だから、目立っていないからと言っていじけず、黙々とやり続ければいい。そのうち花開く。
[教訓]
〇目立たない方が逆に成長する。
〇目立たないうちは、力を付ける期間と割り切れ。