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会社と従業員の歩み寄り、意思疎通が必要

「それじゃあ手遅れだ!!遅すぎる!!僕の研究は、今の科学を変えようとするものなんだ!!20年後に成果が出ても、もう何の意味もない!!」

(ストーリー)
ウィントン卿の孫にジョージがいた。ガラパゴスにジョージというゾウガメがいた。ウィントン卿の孫は幼くして死んでしまった。ゾウガメも絶滅寸前である。そこでウィントン卿はゾウガメの「ロンサム・ジョージ」のお相手としてピンタ島のどこかにいるメスに賞金を出すことになった。

ソ連に天才生物学者マヌエルがおり、ゾウガメのジョージにお相手ができれば、マヌエルは亡命してしまうだろう。そこで優秀な科学者を亡命させたくないと考えたKGBは雌のゾウガメを殺害することにした。

ウィントン卿はKGBがメスのゾウガメを殺害することを察知し、ゴルゴに依頼。新聞記者が5人やって来ると言う。そこでゴルゴは彼らのうちにKGBに雇われた者がいると考えて、観察した。日本人という新聞記者がカメラで撮影しようとしたとき、ゴルゴがカメラを壊した。その日の夜、ある新聞記者が暗闇でどちらがメスかわからないため、二匹とも始末しようと考えた。そのときにゴルゴが現れ、日本人という新聞記者を射殺。国外に来ている本物の日本人記者なら、頭を下げるという日本流の挨拶をわざとらしくしない。それで気づいたという。

(解説)
「ロンサム・ジョージ」の一幕である。キューバからソ連のモスクワに来ていた天才科学者マヌエルは、ソ連の研究体制に腹を立てていた。ロンサム・ジョージと同じゾウガメの種であったメスと交配したと思われ、その子孫が誕生するのが20年後。今すぐガラパゴスに飛びたいとマヌエルは思ったが、それをソ連が許さなかった。しかも遺伝生物学ではなく、バイオテクノロジーをやらせたかった。マヌエルが要するに、今すぐガラパゴスへ行かせろと、研究所の上役に主張したときの台詞である。

会社としてやってほしいことがある。それに対して従業員は答えるために、給料をもらえる。単純なことなのだが、会社としてやってほしいことと従業員がやりたいことが異なるときには、少なくとも幸福な結果は生まれない。もちろん、食べていくためには給料をもらわなければならず、会社の命令は絶対だ。それでやめようものなら、研究どころか生活までできなくなる。

限界はあるかもしれない。しかしある程度の実績を上げた従業員には、会社としての命令以上に個人の想いもかなえてあげられる体制を作った方がいい。それが優秀な人材を確保する唯一の秘訣になるだろう。

プロ野球にも契約更改時に、ポスティング希望をする選手がいるが、会社側に希望を事前に伝えた方が、従業員(但し選手は個人事業主)もそのチャンスが訪れる。お互いに良い関係を築ければ、個人のキャリアアップにも資する。従業員もやる気が出る。会社としても戦力になる。会社は従業員個人の自己実現の場でもあるのだ。

[教訓]
〇会社と従業員が歩み寄って、従業員の願いを叶えることができなければ、優秀な人材を確保することはできない。
〇夢があるなら遠慮なく従業員は会社に伝えるべきだ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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