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変わりたくない病を治せ

「組合員を、全員再雇用し仕事を用意し、工場を元のフリート街に戻せっ。」

「コンピューター化した編集や印刷作業を手作業に戻すなどできる相談じゃない!」

(ストーリー)
ロイターのモザンビーク支社で仕事をしていたマーチン・ジェラルドは、ロンドン帰国の知らせを会社からもらった。モザンビークの上司がマーチンと別れる際に、オフレコとして、マシェル大統領の特別機はゴルゴという狙撃者の仕業で、CIAが仕事の依頼をしたことをマーチンに伝えた。

マーチンはロンドンに戻った後で、局長命令でアーウィックに情報をリークしている者を探るよう指令を受けた。労働党本部、バッキンガムルートを探った。それによると、王室に近いアサートン伯爵がサンの社主アーウィックに喋っているということが分かった。

局長はマーチンの調査を聞いて、その情報をワッピング要塞の前でストをしている連中に流すよう指示した。まず委員長のオドーネルに会い、アーウィックが保守党やバッキンガムの情報を裏から入手していることを組合の手で公表してほしい、世論を味方に付けるよう伝えた。

オドーネルは、マーチンの情報を持って、アーウィックらを脅し、組合員を全員再雇用するよう要求した。これを受けて、アーウィックはオドーネルを殺害するようゴルゴに依頼した。アーウィックの下に、アサートン伯爵とフィールディング保守党副幹事長も同席していた。

マーチンがオドーネルの下にゴルゴから狙われていることを伝えたときに、オドーネルは射殺された。アーウィックはマーチンを呼び出す。マーチンに自分の部下になるよう伝えた。しかしマーチンはその申し出を断る。その時にゴルゴはアサートン伯爵も射殺した。

マーチンの調査は局長によって、シュレッダー行きを伝えられた。それはイギリス王室報道官からの依頼であった。ゴルゴを雇ったのは、女王陛下かもしれないとマーチンは思った。

(解説)
「ワッピング要塞」の一幕である。労働組合がピケを起こし、労働組合委員長オドーネルがアーウィックらの情報リークについて脅した。その要求が労働者に仕事を与えろということだ。

コンピューター化の結果、仕事が減ったわけでもなく、新しい仕事が増えた。AI化の結果、今度こそ仕事が減るのか、と脅されているが、人間の事だ、また新しい仕事を増やすだろう。そうやって社会は進歩してきている。経営者としては、従業員に新しい仕事をこなしていくよう説得するしかない。決してAI化、システム化の流れを逆走してはならない。

従業員は自分たちは変わりたくないため、業務の効率化を嫌う。しかし業務の効率化は避けられない。業務を効率化し、より本人を引き上げようとする従業員を大切にせよ。

[教訓]
〇AI化しても、最終的には仕事は減らないと思うが、新しい仕事を生み出さなければならないし、それをやるのは起業家や経営者の役割である。労働者の変わりたくないという気持ちに応じる必要はない。少なからず自分たちが変わりたくない病にかかってはならない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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