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株式は3分の2を保持せよ

「現在のソ連中枢部には三つの勢力がある・・・党政治局、軍、それにKGBだ。この三つ巴の勢力を完全に掌握していたからこそ、ブレジネフは生涯独裁者の地位にいられた・・・実際、党最高権力者=書記長の席に着くためには、最低、この3つの中の2つを掌握する必要がある。アンドロポフは党とKGBを支配出来たから、書記長になれた・・・ところが、ゴルバチョフだが・・・彼は党政治局の信頼を得ることには成功した・・・だが、軍とKGB内部の支持基盤は、残念ながら不安定なのさ。」

(ストーリー)
ソ連のニコライ・セルゲヴィチ・シュヴァイツェル大佐は、スイス銀行を訪れた。自分がロマノフ王朝の財産の相続人であると副頭取に伝える。その財産はアメリカの国家予算に匹敵する。もし、シュヴァイツェル大佐の手に渡れば、東西の富のバランスが大逆転する。割り符の役割としているメダルはもう一つあった。その人間が西側であれば、ロマノフの財産の半分が西側に残る。

そのため、何が何でも、もう一人のロマノフ王朝の相続人を見つけなければならなかった。その財産を預かって運用しているヒューラー商会が、アメリカ人で探偵ブライアン・フェイスにもう一人の相続人探しを依頼した。

フェイスは調査を開始した。第四皇女アナスタシアと名乗る人間が現れ、1928年から自分の血の証明や身元確認を求める裁判を起こしたが、黒白は判明されず、アメリカで結婚し、今は死亡している。その夫に尋ねると、妻が死ぬ間際、歴史上は存在しない5番目の皇女の子、つまりニコライ皇帝の孫に、その割符を渡したという。それがグレゴリー・皇士・東郷=ロマノフであると。

さらに調査を進め、グレゴリーを探っていくと、ゴルゴ13に行きついた。実はゴルゴがロマノフ王朝の子孫ではないかというのだ。フェイスは、ザーヒンのいる長崎へ出向き、皇士の母であるドーラと父である東郷の話を聞くことができた。東郷は戦犯として巣鴨プリズンに連行される東条英樹を救おうとしたが、東条がそれを拒否。それで東郷はアメリカ軍に追われる身となり、ソ連へ向かう。東郷はロマノフ家のドーラ妃を救い、いつしか結ばれ、子供を産む。それがグレゴリーである。

シュヴァイツェル大佐は、ソ連のオガルコフ閣下より、ニコライ王朝の遺産を入手するため、もう一人の相続人を消すことを命令した。

さてその頃、ゴルゴはスペツナズの将校シュヴァイツェル大佐の殺害をゴルバチョフ側に依頼されていた。仮にゴルゴがグレゴリーであったら、シュヴァイツェル大佐とゴルゴはドーラの二人の息子ということになる。

シュヴァイツェルは、長崎に住むザーヒンと、もう一人の相続人を探すフェイスを始末することを考えた。その頃オルガノフ閣下は国家反逆罪で逮捕。自害する。

また、スイス銀行にはソ連国立中央銀行総裁より、ロマノフの全財産を放棄すると連絡があった。

ニコライは母ドーラを撃ちに来た。小さなころから母から愛されていないと感じていたからだ。しかしゴルゴがそのニコライを射殺した。

ロマノフ家との間にはもう一つ契約があり、遺産の相続人が現れなかったときには70年、さらに眠りにつき、さらに膨大に膨れ上がった財産は世界で最も貧しい国に無償で貸し付けられるという。

(解説)
「全て人民のもの」の一幕である。探偵のフェイスは大学のときにロシア史を勉強していたため、ソ連の事にやたら詳しい。探偵事務所の同僚と話をしていたときの台詞だ。

さて、株式会社は3分の2超の株式を保有していれば、現経営陣は安泰である。その逆だったら。つまり過半数も占めていない状態であれば不安定でしかない。いつ経営陣から外されるかもわからない。最近物言う株主が増えてきたが、自分が経営者としてその場にとどまって安定的な経営を行いたいのであれば、3分の2超は株式を保有しておくべきである。

[教訓]
〇現経営陣は安定経営のために、3分の2は自ら持分を保有せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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