「ミランとこの三人が、村で足に自信の連中だ!いいか、峠越えの道は軍の分隊が封鎖している・・・各自囮になるつもりで、隙をついて一気につり橋まで駆け抜けるのだ!」
(ストーリー)
MI6のメンバーがブコバロア村を訪れた。そしてマコビッチの家に向かった。そこには老婆が一人。宿泊客であるというが、セルビア人に似てるから泊めたくないという。
別の宿泊客に内戦中の国(ユーゴスラヴィア)に旅行なんてと言われた。しかしユーゴスラヴィアでもプコバロア村だけはなぜか軍隊すら近寄らない。その秘密を探っていたのだ。別の宿泊客は、セルビア人もクロアチア人もどちらも相手にしてないのだろうという。
彼は暖炉の上の写真立てに老婆の家族を見て、話しかけた。13日の金曜日が老婆にとっての記念日という。彼自体も妻が心臓病で死んでから丸一年、自分にとっても思い出の日だという。
老婆はコソヴォ事件について話しだした。いわゆるセルビア人によるクロアチア人の制圧である。クロアチア人はどうにもならないとあきらめていたが、ゴルゴに任せれば解決してくれるということで、村の財産をかき集めて、ゴルゴに依頼することにした。それを察知したセルビア側が、ゴルゴに接触されなければ契約不成立となるとして、交渉人を殺害していった。最後の一人、老婆の息子ミランがゴルゴの待つ橋にたどり着いたが、銃弾を受け、川の中へ落下。そのときに村人から預かったゴルゴへ依頼金となる宝石を川の中へ落としてしまった。そこにゴルゴがやってきて、残った指輪一つで仕事の依頼を受けた。ゴルゴが村の軍隊を壊滅させ、村に平和が訪れた。ミランはその時の怪我が悪化してその後死亡した。ミランは村を救った自慢の息子、その日を記念日としたのだ。MI6は村の平和がゴルゴに依頼したという事実が脅威となって保たれていることに感心した。
(解説)
「静かなる記念日」の一幕である。セルビアの一個師団からの追手を逃れて、ゴルゴに宝石を渡して、仕事を依頼するまでのミッション・インポッシブルである。ゴルゴに依頼してしまえば、後は安心という意味では、野球でいうところのクローザーであろうか。さて、誰かがたどり着けばいい。作戦としてはミランに宝石を持たせて、残りは囮になる(つまり犠牲になる)というものだったのであろう。
目的を達成するならば、あらゆることを犠牲にするメンタリティ。それが起業家にとっても必要なことだ。あれもこれもという二兎追うものは一兎も追えず、という結論になりがちなのが人間である。
犠牲にすべきもの、していいもの、これだけは守るものというものを決めてかかった方がいい。そして犠牲にする範囲も明確にしておき、それを超えたらやめるという自主ルールを確定させておくべきだ。いつまでも同じことに関わっていては時間の無駄というものである。犠牲にするものは一種の囮だと思えばよい。
[教訓]
〇犠牲すべきものと範囲を決めておかないと、いつまでたっても成功はしない。