「ここは、恋と太陽がいっぱいなんだ。仕事の話は聞きたくないね!」
「でも、ミラノが稼がないと、ローマが使うことはできませんよ・・・」
「黄信号は全速力で突っ走れ・・・赤信号は注意して進め、青信号は強引に、しかも注意して進めというのがイタリア式交通信号です。」
(ストーリー)
日本の商社がイタリアの人気ファッション・デザイナーであるジュリオ・コルドーニと契約を締結した。しかしそれを育ての親、ドン・チェザーレがコルドーニを呼び出した。今まで、コルドーニはチェザーレのコネクションを使ったが、コルドーニは今は自分の才能で成功している、今後は監視しないよう、チェザーレに伝える。
チェザーレの麻薬取引が何者かの手によって暴露され、手下が逮捕された。チェザーレはコルドーニが暴露したものと思い、コルドーニは殺される。アメリカの麻薬取締局のメンバーがコルドーニの母親にチェザーレが息子を殺したのではと伝えるが、警察にはチェザーレの幹部ともつながりがあるため、罪には問えないという。そこで、取締局のメンバーと共に、コルドーニの母親はゴルゴにチェザーレの殺害を依頼した。その後、ゴルゴは取締局のメンバーに会いに来た。そこでメンバーは、流した情報で、チェザーレの手下が逮捕され、誤ってコルドーニが殺された償いであるという。ゴルゴは成田に到着したチェザーレを射殺した。
(解説)
「イタリアン・コネクション」の一幕である。前段はコルドーニがオフィスから電話を受けたときの台詞だ。元々、「ミラノが稼がなければローマが使えない」というのは、ビジネスで稼いで税金を払わなければ、政府が使えないという意味である。日本も当然そうなっているが、民間の組織も似たところはある。管理職が食べていけるのは、営業がしっかり稼いでくれるから。当然、営業に関する事務員も同じ。そのようなスタッフがいてこそ、マネジメントは食べていける。しかし、マネジメントになると、スタッフを使っているのは我々だと思い込んでいる。管理しているのではない。働いてくださっているのだという気持ちを持ってスタッフには接しないといけない。食わせてやっているのではない。食わせてもらっているのだ。
後段は日本の商社の部下と上司の会話だ。上司はイタリアに来るのが初めてという設定で、イタリアと日本の文化の違いを話している。しかしイタリア式の交通信号はビジネスの心得そのものではないだろうか。ビジネスは止まってはいけない。止まっているとしてもすぐに動けるようにしておかなければならない。だから赤信号は止まれではない、あくまでも注意して進めなのだ。黄色の信号は赤信号になる前に全力で走れになる。青は当然全速力なのだが、少しは注意しろである。
[教訓]
〇赤信号も注意して渡るのがビジネスである。