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当事者を会議にガンガン参加させよ

「それで・・・有効な対策でもあるのですか、エバン局長・・・?」
「今のところ・・・安い運賃に騙されないこと、そして船会社を事前にチェックすること・・・それぐらいしかありませんな・・・」
「うーむ、生ぬるい!!・・・」

(ストーリー)
レバノン沖の東地中海で貨物船が蒸発するという事件が多発した。バミューダトライアングルなるレバント・トライアングルである。ただ自然現象ではなく、国際犯罪組織の仕業であると考えられた。

海運保険業を営むランドール卿は、船の消失で損害を被っていた。この犯罪組織のボスは、マキシミリアン・クレシス、倉庫業のオーナーとなっているが、裏は大麻と武器の密貿易で稼いでいる。

クレシスの住む島にゴルゴがやってきた。クレシスは別件で出かけるということで、愛人のマリア(ちなみに心理学者でもある)が日本からのビジネスマンとなっているゴルゴの接待を行うことになった。マリアはゴルゴに睡眠薬を嗅がせた。

クレシスは別ルートから暗殺者が自分の命を狙っているということを知る。しかしクレシスはマリアを信用していて、ゴルゴの正体をマリアが突き止めるだろうと考えていた。自白剤をゴルゴに投与し、心理学者が訪ねても、ゴルゴは本当のことをまるで言わない。

ゴルゴが目覚め、用心棒とマリアを殺害。クレシスがボートで島に戻ってきたところをゴルゴは海岸から射殺した。

(解説)
「レバント・トライアングル」の一幕である。海運保険業のランドール卿が、船舶消失事故について調査を進めているはずの国際海事事務局の委員会に訪れた。唯一の当事者である、つまり自ら損をしているランドール卿は、事務局のメンバーの会議での様子を聞き、ひとこと「生ぬるい」と言った。正直何の対策にもなっていない。

損失を受ける人が唯一の当事者である。しかし世の中の多くが、生活が困っている人、損失を受けている人のことを本当に考えている人たちは、何かを決めてアクションしようとしている人たちの中には誰もいない。会議自体も適当にお茶を濁して終わりにすることが多い。問題は会議室で起こっているのではなく、現場で起こっている。だから、会議に参加する人間は、オブザーバーとして現場の人間を呼ぶのでは意味がない。会議の意思決定をするメンバーとして参加させなければ意味がない。

大きな組織になると全体像しか把握できない、マネジメントボケが会議の空気を占める。いつの世も変わらない。せめてあなたの会社だけは変わる意識を持とう。

[教訓]
〇会社の意思決定には、当事者を関わらせろ。マネジメントボケしている奴らはいらない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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