「・・・この二つの情報部は足の引っ張り合いを繰り返してきた。そして最近は全く文民統制が利いていない・・・このままではSDECEの二の舞だ。この二人を除去できれば。情報部は再び文官の指揮下に戻るだろう。」
「アンリ・ユステールは、あんたの義理の息子だろう・・・」
「やむを得ない・・・すべてはフランス国民の利益のためだ。」
(ストーリー)
フランスには、内務省系で国内の治安を担当するDSTと国防省系で海外の情報活動を担当するDGSEである。前者がシラク、後者がミッテランを支援していた。そして相手のあら捜しをしていたのである。
SDECEの生みの親は、現DGSE局長アンリ・ユステールの義理の父親であった。そして自動車部品会社の副社長でもあった。
チャド共和国で、リビア軍と戦うチャドをフランスが支援していたが、情報が漏れていた。
アンリが学生デモを起こさせ、世論調査でシラクの人気を下げた。フランス全学連。独立と民主のリーダーに、1988年の大統領選挙のミッテラン陣営の選対に加えると約束して、デモを起こさせたのだ。
アンリはゴルゴに仕事を依頼した。標的の一つはシリア人のユネスコ職員であって、情報の中継に使っている。これを殺害すれば情報漏れが防げる。ゴルゴはエッフェル塔からユネスコ職員を射殺した。そしてシリア人向けのアンテナを使用不能にして、一時的に通信不能にした。これで情報漏れがなくなり、全てアンリの計画通りに進んだ。
DSTはアンリを使途不明金の所在で、逮捕された。DGSEアンリ・ユステールとDSTのジョルジュ・ドランの局長同士で足を引っ張り合った。二人が外に出た瞬間、ゴルゴが局長二人を射殺した。それをゴルゴに依頼したのは、アンリの義父であった。全てはフランス国民の利益のため。
(解説)
「シビリアンコントロール」の一幕である。アンリの義父、SDECEの生みの親は、内紛を我慢できなかった。ゴルゴとの会話が上記である。
社内でも部署ごとで足の引っ張り合いをしているときがある。部署ができるとどうしても対立構造を作ってしまう。それが切磋琢磨してお互いをより高める方向に向かうと良いのだが、プラスにするよりは、相手を自分たちよりも上に行かせないために、相手をマイナスに落とした方が楽なのだろう。しかし会社のトップとしてはたまらない。
最終的には、組織全体の事を考えてくれる中間管理職にミドルマネジメントを任せ、自分の部署しか考えていない中間管理職は勇気をもって、トップが排除しなければならない。聞いて行動に移さなければ。
[教訓]
〇部署の事しか考えないミドルは不要。全社のことを考えるミドルが必要。
〇ミドルには会社経営にも関心を持たせよ。