「なにかあったのでございますか・・・?」
「私たちにはわからない奇跡があったんだよ・・・ハリー・・・」
(ストーリー)
水上スキーの選手ロイ・シルバーを今度のパーティに呼びたいと、大富豪デビッド・ホーキンスの若妻グロリアが言いだした。実はグロリアが、シルバーと遊んでいるという。モナコの王子やロック歌手の場合は、ホーキンスも許したが、今度は安っぽい男のため、許せなかった。
新聞誌では既に、大富豪ホーキンス会長夫人の愛人が、水上スキーの選手と書かれている。元CIAの友人であるジェフがそれを知らせてきたが、ホーキンスはそれが事実だという。この問題をどうすれば解決できるだろうかと相談する。若造は他人の物に手を出したコソ泥であって、それなりの制裁方法はあるはずだと考えていた。しかし殺人は無茶でそんな危険は起こせない。そこでジェフはあるナイフを百万ドルで買って、言う通りの行動を取れという。
そのナイフは西太后の奇跡のナイフであって、数十メートル離れたところの人間の首を呪文と共にはねたという。そこでホーキンスは、シルバーが水上スキーの練習しているときに、呪文を唱えて振り下ろした。すると、ロープが突然ちぎれて、シルバーはバランスを崩し、台のところで転倒。バランスを崩して死亡した。ホーキンスは何が起こったのかわからなかった。実は裏で、ジェフがゴルゴに依頼して、ロープを狙撃してもらっていたのであった。ホーキンスは奇跡と信じていた。
(解説)
「マイアミの奇跡」の一幕である。若妻であるグロリアに、奇跡のナイフの説明をして、ホーキンスが振り下ろすと、何十メートルも先のロープがちぎれてシルバーは事故死する。ホーキンスもそれが単なる事故としか考えていない。しかし、それは元CIAがゴルゴに依頼して起こしただけのことにすぎなかった。
世の中、奇跡だと思うことはある。しかしその奇跡とは、まったく準備をしない者には訪れない。意味のある出会いがあれば、その出会いのための行動を起こしているはずだ。仕事でラッキーパンチがあっても、その仕事をやっていたという事実がある。奇跡のほとんどが、事実に裏付けられたものにすぎない。何もない所に奇跡は起きない。だから我々は奇跡が起こるための仕掛けをしておかなければならない。
[教訓]
〇奇跡を起こすための仕掛けはせよ。何もない所に奇跡は起きない。
〇奇跡は起こるべくして起こる。所詮奇跡は何かをしたことに対するご褒美にすぎない。