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確率とは確率。まさに数字のマジック

「通称、デューク・東郷。超A級の国際的狙撃手で彼の任務成功率は、99.9%以上・・・我々のコンピューターは唯一残された道は、彼への依頼だ・・・という回答を出したのです・・・」

「実は、このAIでさえ、最終的にゴルゴ13の生存率を0.0001%・・・と回答していたのです・・・」

(ストーリー)
1990年8月2日にイラクはクウェートに侵攻した。アメリカの国防総省は、人工知能による推論型戦略プログラムを開発。それによると、既にそのAIはフセインの決断を予測していたという。しかも研究所のAIがはじき出した仮想戦略方法と同じであることが判明し、まるでアメリカのAIがはじき出した答えをそのまま実行しているとしか考えられない。

イラクのクウェート侵攻の半年前、アメリカの国防総省の研究員リチャード・ランスキーが日本の商社マン、倉本と接触していた。ランスキーの提案によると、国防総省が開発したAIのコンピューターの戦略プログラムを移植させることをイラク軍との売買契約の条件として提示するという。

ランスキーはフセインを挑発させ、中東の火薬庫に火を付けようと企んでいた。そしてそれは国防総省の上司の知る所となり、イラクの侵略行動を指揮しているのは、アメリカ側のAIであると。そして打開できなければプログラムはアラブ世界への攻撃とイスラエルへの全面攻撃の開始を指示することになるだろうと。そこでAIはゴルゴに依頼するしかないとはじき出した。それはイラク側のAIも対ゴルゴ用の戦略を考えることを意味していた。国防総省はランスキーの抹殺と戦略プログラム及びコンピューターの破壊をゴルゴに依頼した。

礼拝の時刻に天窓を解放したときに、ゴルゴはミサイルで指令室を破壊した。

(解説)
「人工知能AIの誤算」の一幕である。ゴルゴに依頼すれば、中東の危機をひとまず解決できる。しかもその確率を99.9%とブッシュ大統領が聞けば、依頼することを決定することになるだろう。ちなみにイラクに売り込んだAIによると、クウェート侵攻の成功確率が82%、それを聞いたらフセインは侵攻するに決まっている。デモ確率は所詮確率である。絶対に成功するとは言っていない。また、AIはゴルゴの生存確率もまた0.0001%と言っている。

経営者は意思決定をするのが仕事であるが、それが成功するか失敗するかは、その後の行動による。しかも予想していなかった事態が生じた場合、それに上手く対処できなければ、やはり失敗してしまう。でもやらなければ始まらない。だからせめてやるときの成功確率を数字で示されて、成功確率が高いと言われれば、始めてしまうだろう。確率にはそれだけの魔力がある。でも天気予報でもわかるとおり、90%雨と言っても、全く雨が降らないこともある。確率は確率だと割り切らなければならないこともある。しかし背中を押してほしい。その時には確率は有効と言える。

[教訓]
〇確率は意思決定をする時に非常に有用である。やるとき決めるときにも使えるし、やらないと決めるときにも使える。また、納得させるときにも使える。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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