「スペツナズの正体を白日にさらすために、ゴルゴ13と戦わせるということはわかりましたが・・・しかし、我々の急務はステルスの破片を奪回することではなかったのですか、長官?」
「慌てる事はない・・・どちらが勝利を得るにしても、力は半減するはずだ・・・我々はそこへ乗り込んで後の掃除をし、ステルスの破片を手に入れればいい!我々は、見えない戦闘機で見えない軍隊を誘い出し・・・機会を待っていればいいのだ!」
(ストーリー)
傭兵のジョーがステルスの破片を拾った。ジョーはステルスの破片をエサにこれに飛びついてくる奴を狙撃してほしいとゴルゴに依頼した。狙撃なのだが、誰と初めから標的が決まっていない。狙ってくるのが標的である。それで最終的にはその破片を高く買わせようという魂胆であった。
ジョーはわざわざCIAのステルスの破片を持っていることと伝え、場所の逆探知が可能なように長電話をした。ジョーの意図に気づき、CIAはソ連のスペツナズが出てくることを予想し、傭兵やゴルゴと戦わせて、破片を戴くことを考えていた。しかもスペツナズがどの程度の実力を持っているかもゴルゴと戦わせることで知ることができる。
ジョーはモーテルに立てこもっていると、スペツナズが攻撃してきた。しかも長距離狙撃をしてきて、アーマライトでは射程外だ。ゴルゴとジョーは車で山に逃走。上からスペツナズを狙撃した。気圧が低ければ、アーマライトの射程も伸びる。
最終的にはジョーはスペツナズに射殺され、ゴルゴはステルスの破片を山に放り投げた。
(解説)
「見えない軍隊」の一幕である。アメリカのグリーンベレーと言えば、ソ連(ロシア)ではスペツナズである。アメリカもまだスペツナズの実力を知りかねているところ、ちょうどゴルゴと戦わせるという彼らの実力を知る機会が回ってきた。CIA長官の考えていることは、まさに漁夫の利である。両者が争って疲弊した後で第三者が苦労なく利益をさらっていく。
ビジネスは、長官の言うように、まさにタイミングである。漁夫の利ではなくても、マーケットの先行者が試行錯誤しながら、顧客を耕すには、最初はどうしてもおカネがかかるものである。そこで先行者が疲弊したときに、先行者が耕した市場を安く入手してしまうことはある。タイミングを見計らう力を養わなければならない。
[教訓]
〇マーケットの先行者が、顧客を耕し、疲弊しているタイミングを見計らって入っていけ。最初にやらなくても、ビジネスには勝てる。