「中国残留日本孤児東堂高志が・・・禿鷲に羽化し・・・そして・・・超A級のテロリスト、ゴルゴ13に進化していった・・・その過程での失われた環のカギを握っているのが・・・この、グエン・フン・ロウだと思うのです。」
(ストーリー)
KGBが引退した元工作員イワン・コズロフに、ゴルゴの過去の調査と殺害を依頼した。コズロフは終戦間際に東堂高志という子供がロシア兵を銃で殺害するのを見た。それがゴルゴの子供の頃だと想像した。
コズロフは福原よし江という女性に東京であった。ゴルゴの写真を見せると、義兄と叫んだ。二人とも戦争孤児で中国人に助けてもらっていた。義父が中国の解放軍に追われ、高志は義父と義母をかばい、解放軍兵士を殺害、そのまま馬に乗って、去っていった。それが高志とよし江の別れになった。
高志は馬禿鷲と名乗っていた。中国で雷学両のところにいたラガンという射撃の名手から射撃の特訓を受けた。しばらくは雷学両に雇われていたが、いつしかラガンを超える射撃の名手になり、ベトナムに渡ったという。
そのベトナムでの無二の親友がグエン・フン・ロウとのことだった。彼は禿鷲のことを語ってくれた。しかし禿鷲は死んだという。グエンが禿鷲を後ろから撃った。それは懸賞金がかかっていたからというのだ。禿鷲とゴルゴが別人だと知ったコズロフは失意のうちに、ゴルゴに射殺された。
東堂高志にはその父が隠したZ資金のありかなど話などわからないはずだ。しかしそのZ資金はそっとしておかなければならない。それで日本の政治家が、コズロフをゴルゴに殺させたのだという。コズロフは日本の政治家のとんだ勘違いで、ゴルゴに殺されてしまったことになる。
(解説)
「禿鷲伝説」の一幕である。コズロフが調査していくにあたり、最後に東堂高志とゴルゴを完全に結びつけるためのミッシングリンクがこのベトナム人であり、彼から話を聞けば完全につながる予定だったのだが、グエンが禿鷲を背後から射殺したため、ミッシングリンクではなく、ミッシングになってしまった。
さて、生物学上のミッシングリンクとは、謎の間隙ではなくて、単に進化中間期の化石証拠がまだ見つかっていないだけである。ビジネスにおいて、問題に対する解決策が見当たらないとする。そうなると解決するのが不可能だとして諦めがちになるが、実は解決策が見つかっていないだけだと考えるべきである。解決しない問題はない。ただ、その解決策を見つけていないだけなのだ。ミッシングリンクとはそういうものである。
[教訓]
〇経営のミッシングリンクを探せ。ミッシングにしてはならない。