「敵に相談せよ。そして、その助言の反対をやれ。」no
(ストーリー)
イスラエルとパレスチナは紛争が絶えない。パレスチナ側のアーデルが投石でイスラエル側に捕まったが、実はイスラエル側のスパイであった。イスラエル側のカミンスキー少佐がパレスチナの「イーグル」という者を探していた。アーデルはイーグルに会ったことはないが、近いうちにビディア村の政治集会に現れるという情報を提供した。
その集会にイスラエル軍が現れ、全員が連行される。恐らく密告者がいると考えられた。パレスチナ側もイーグルの存在が突き止められたらネットワークが壊滅的な状態になる。そこで指導部はイーグルを殺害することを計画する。
そのときにゴルゴがイスラエル側に勾留された。トルコ系ということになっている。ある者をゴルゴと同じ牢屋に入れて、探らせたが、コーランのこともよく知っている。ゴルゴはトイレに行きたいという。そして告訴の理由もなく、釈放させた。
ゴルゴはイーグルがトイレに入ったときに狙撃する。アーデルが釈放され、密告者とわかったときに恋人の下に帰ってくるが、恋人がアーデルを刺殺した。
(解説)
「ヨルダン川西岸」の一幕である。イーグルは捕えた男たちの中にいるとイスラエル側が考え、尋問をしたが、パレスチナ側で捕えられたものは誰一人として口を割らない。そしてある者が、イーグルはその場から逃げてしまったというのに対して、カミンスキーは古くからのユダヤの格言を話す。それが上記台詞である。
敵と分かっていれば、敵がメリットのある話などするわけはないから、敵のアドバイスの逆をやれば成功する可能性は高まるだろう。一番問題なのは、アドバイザーのいうことを真に受けて実行してしまう事である。アドバイザーは心から、訪ねてきた人のためを思って助言してくれる、しかしそのアドバイザーが古い人だったり、たまたまうまく行っただけの運のいい奴だったとしたら、自分の体験談を話すだけで、聞いた方は何のメリットもない、あるいはデメリットしかない話にしかならない。それでいて、アドバイザーのいうことを聞いて失敗したら、やり方が悪いといい、言うことを聞かなかったら、聞かない方が悪いという。結局のところ、行動した結果に責任を持つのは自分だけである。
わざわざアドバイザーのいうことの逆をやれとは言わないが、一意見として参考にする程度で、それを鵜呑みにしないという姿勢が大切である。
[教訓]
〇アドバイザーは所詮他人である。一意見として参考にするだけにとどめておけ。