世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

リーダーは相手の腹積もりを探るぐらいの狡猾さを持て

「家康は愚か者だ。が、油断のならない愚か者だ。」

(解説)
豊臣秀吉が、徳川家康の城に滞留したいとの申し出をした。これを聞いた側近たちが、「秀吉公に、充分におもてなしをするべきでしょう」と勧めた。しかし家康はそれをせず、城を出た。側近たちは、家康に「そんなことをしていると、秀吉公に愚か者と、思われますぞ」といったが、家康は「秀吉は、油断のならない人だ。利口ぶってなまじっかの饗応をすれば、すぐに警戒をする。それよりも愚か者を装って何もしないことの方が、身の安全になる」と
側近たちに返答した。その結果秀吉が自分の側近に語ったのが、上の言葉である。当然、秀吉も家康の腹は見抜いていた。まさに策士同士の腹の探り合いである。

リーダー同士の腹の探り合いでも、以上のような油断のならない愚か者どもの駆け引きが見られることがある。リーダーも自分の腹積もりを探られてはならないが、逆に相手の腹積もりを探るぐらいの狡猾さは持たねばならない。

こちらは知らぬふりをして、相手がいい気になって墓穴を掘るのを待つ。交渉術の基本だ。

[教訓]
〇リーダーは愚か者のふりでもして、相手を油断させよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする