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意見ではなく異見がビジネスには有用

「ひそかにわが身の目付に頼みおき、時々異見を承わり、わが身の善悪を聞きて、万事に心を付けること、将たる者、第一の要務なり。」

(解説)
意見ではなく、異見である。もとより自分とは異なる考えの持ち主の考え方を聞けということだ。自然科学でもない限り、自分の考え方の方が正しいと言い切れることはない。その多くは価値感というにすぎない。当然、多くの人が賛同する考え方というのはあるが、それが正しいか間違っているかは別の話だ。多数派の考えが正しいとは言い切れない。

主観的な意見、客観的な意見というものはある。自分の考えはどこまで行っても主観であって、主観であるうちは、世の中に認められるわけでもない。その主観がたまたま大多数の意見と同じであれば、大多数の人から支持されるというだけにすぎない。

概ね、大多数の人から支持された方が、社会的にはいきやすい。そこで、時々、自分とは異なる見解を聞き、自分の考え方がどれほど世間様とずれているかどうかを確認する必要はある。だからと言って、ずれているから間違いでもないし。ずれを直さなければいけないわけでもない。全ては自分の価値感で行動すればよい。無理に人に合わせることもない。但し、軋轢を生んだり、世間から煙たがられたり、お客から賛同を得なければ、お金に変わらないだけの話だ。

個人経営ならば主観で押し通す手もあるだろう。しかし組織のリーダーであれば、何でも自分の思いのままにというわけにはいかない。まず会社は売上を上げ、利益を上げることが重要であるから、顧客を敵に回してはならない。

時と場合によっては、自分の考えが法令違反を犯しているかもしれない。そこで第三者からの意見を頂戴し、修正していくことが大切だ。リーダーは数多くのスタッフの生活の面倒を見なければならない。そのため、異見を聞き、善悪も確かめる。これがリーダーとしての責務である。

[教訓]
〇リーダーは異見を聞け、善悪も確認せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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