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起業を妨げるのは己のプライド

宮本武蔵に学ぶ、

「新たになるとは、敵が自分と戦う時に、もつれる状況になって、上手くいかなくなった時、自分の意図を振り捨てて、新しく物事を始める気持ちで、その拍子に乗り、勝ちを見出すこと。」

「新たになるのは、いつも敵と自分とがぎしぎしするような状況になったと思えば、そのままこちらの意思を変えて、全く違った方法で勝ちをしめる。」

(解説)

新規事業を始めるきっかけとは、今までのことが上手くいかなかったことによる。そもそも今までのことが上手くいかなかったのに、新しいことが上手くいくのかというと疑問も多い。それでは今までのことをなぜ始めたのか。通常、起業するときには、若者が思い付きで始めるパターンと、中堅どころが今までサラリーマン時代にやってきたことを自分でやってみたいと思って始めるパターンの二つあるだろう。

思い付きが悪いわけではないが、上手くいかないことは多い。それは消費者のニーズをとらえていないことが多いためだ。ただ、思い付きで初めて、次第に消費者ニーズに寄り添っていき、そのうち合致することもないわけではない。しかしこれはよほどの運と、そこまで組織が持つかという起業家の精神力、そしてお金がいる。お金については、若ければどこかで勤めるとか、アルバイトと言う手もある。

年を取ってからの起業は、よほどのことがない限り、若いうちに見た夢なんて考えないことだ。まったく新しいことをやって上手くいくと考える方が頭がいかれている。上手くいくと思っているのだったら、サラリーマンなんてのんびりやっていないでさっさと起業すべきだった。

これからの時代は、会社をある年齢で追い出されたためにやむを得ず起業するパターンも増えてくるだろう。好きなことをやれば耐えられるとは思わない方がいい。最低でも生活費は稼がなきゃならない。

やはり、リスクの低い開業は、今までサラリーマンで経験してきたことを、自分でやるのが良い。会社にを首切られたのであれば、クライアントを確保できるまで、会社から何か仕事をもらって、業務受託をするくらいの意識の高さが欲しい。しかしここで今まで在籍した会社に営業をかけられる人間は、まず首にはなっていないだろう。会社を一定の年齢で首になってしまう人は、要するにもらってる給料以上のパフォーマンスがない人なのだ。今までの仕事を継続すると言っても、自分で始めるわけだから、そこには自分なりの付加価値、つまり自分らしさを加えていけ。

また、起業をするならば、変なプライドも一度捨てるべきだ。例えは悪いが、演歌の土佐廻りのようなこともやらなければならない。今まで事務職だったから、重い腰が上がらないようではいけない。武蔵は「自分の意図を振り捨てて」とあるが、今までの考え方を捨て去るのと同時に、自分のプライドも捨て去ること。「全てを脱ぎ捨てたら、起業の世界へおいで」だ。

自分の今までの価値観ですらも放り投げるのだ。それが成功への第一歩である。

[教訓]

〇今までのプライドも考え方も捨て去って、起業せよ。

〇若者は思い付きで初めてもいいが、シニアは今までのサラリーマン時代にやっていた仕事を独立しても続けよ。しかし、気持ちは新たに。そこに自分なりの付加価値を加えなければならない。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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