世界の歴史を題材とした起業家応援メディア

成功に導くペース配分とは

宮本武蔵に学ぶ、

「兵法にあって、剣裁きの速いことを喜ぶのは正しい道ではない。速いというのは、拍子にあっていたり、あっていなかったりすることによって、剣裁きの速い遅いということがあるのである。」

「どんな道にでも上達すれば決して早いとは見えないものである。」

「早く早くと急ぐ心はよくない。少しも遅いことはない。相手が訳もなく急いでいるときには、これに背くと言って、静かになり、相手に引きずられないことが肝心である。」

(解説)

仕事は早い方がいいという意見がある。早くてミスをするくらいなら、ゆっくりやれという意見もある。早い遅いというのは、リズムにあうか合わないかだけで、その人のリズムにあった速度が一番望ましい。

結論から言えば、スピードよりも的確さだ。スピードと的確性は必ずしも比例するものではなく、むしろ反比例するものだ。早ければいいというものではない。最終的には成果が出せればいい。成果が期待以下でスピードが速くても何も意味がない。

そうは言っても正確性を求められないときには、なるべく早い方がいい。早めに終わりにしておけば、チェックの時間やら、同僚にダブルチェックをしてもらう時間も確保できる。自分以外の人間の時間は、あってないようなものだ。また、忙しいのが当たり前、そのときに上手くタイミングよくチェックしてもらうからには、相手にチェックする時間を確保しろと強制するのではなく、相手の時間にこちらがいかに合わせるかが大切だ。

また、仕事に慣れていないときは、素直に人のアドバイスを受けた方がいいのと、自分の思い込みで上司や同僚の意図していない仕事をやっている可能性もある。そのため、プレゼンテーションの資料を作る際には、完成度は度外視して、まずはワードで概略を記載し、上司や同僚に確認してもらった後で、パワーポイントに落とし込む、このときのワードに記載する作業はウルトラスピーディーにこなすべきだ。そして相手の意図を確認して、問題がないようであればパワーポイントでの作業を開始する。二度手間だが、無駄なことをしないために必要だ。それにパワーポイントで概略を作って、さらにパワーポイントで本番として作りこむよりも、ワードで概略を作って、パワーポイントで本番の作業をした方が、より考えがまとまり、自分の中で情報が整理されるために、より説得力の高い資料となる。

社会は残念ながら、あなたを中心に回っているわけではなく、色々な人が中心になって、その個々人の描かれた円にいかに干渉していくかである。人それぞれ優先順位が異なる。あなたのためだけに時間を割いている余裕はない。そのため資料を作成して、ひたすら上司や同僚のチェックを待つために、いったい今日は何時まで残業しなきゃならないんだと思うことも多い。

だからこそ、早めに手掛けておけば、より多くの時間の中から、上司や同僚のチェック時間を確保することができる。つまり相手のリズムに合わせるということだ。

早ければいいわけではないが、やはり早いと時間を有効活用され、良い結果を生むことが多い。

[教訓]

〇速さを自慢するな。むしろ結果で自慢せよ。

〇早いことで生じるメリットは、自分だけで業務が完結しないとき。相手のたまに空いた時間を確保してもらうためには、相手のリズムに合わせることが重要だ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
SNSでフォローする