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消費者に飽きさせない方法とは

宮本武蔵に学ぶ、

「「山海の心」というのは、敵と我とが戦う間に、同じことを度々繰り返すことは悪いというのである。」

「同じことを二度繰り返すのは仕方がないが、三度してはならない。敵に技を仕掛けるのに、一度で成功しないときには、もう一度攻め立てても、その効果はなくなる。全く違ったやり方を敵の意表をついて仕掛け、それでもうまく行かなければ、さらにまた別の方法を仕掛けよ。」

「敵が山と思えば海、海と思えば山と、意表をついて仕掛けるのが兵法の道。」

(解説)

変わらない方がいいものと、変わらなければならないものがある。

例えば、変わらない方がいいものは、店やサービスのコアの部分、コンセプトとも呼べる。定番メニューもその一つか。そして変えた方がいいものは、その店の定番以外のメニューといったところか。そういうメニューの中から、お客様から喜ばれたものが定番化していくこともある。お客様からの評判が良くない場合には、また別のメニューを仕掛けていけばいい。

また変わらなければならないケースは、競合他社があるサービスだろう。不特定多数の顧客が利用する場合は、仮にリピーターとなっていたとしても、その他の店のリピーターでもあるかもしれない。例えば、近くのコンビニが一つしかない場合はやむを得ないとして、複数ある場合には、どのコンビニもリピーターではあるが、特定のブランドのユーザーではない。どこかのコンビニの品ぞろえやサービスがマンネリ化したら、そのブランドのコンビニはすぐに顧客を奪われる。一押しのコンビニがないわけではないが、そうは言っても毎日同じものは飽きる。携帯キャリアも、解約料が安くなれば、よりキャリア間の移動が激しくなる。そうするとマンネリは嫌われる。次から次へと顧客満足度を高めるサービスを行っていかなければならない。飲食のチェーン店も同じだ。ただ、変えてはならないものはある。ステーキ屋がカキを出すのはやはりナンセンスだろう。

ビジネスにおいては、ワンパターンは飽きられるということである。マンネリ化はビジネスの敵だ。但し、上記のように、変えた方がいいものと変えてはならないものを分ける必要があるのだ。また、エリアによっては変えてもいいところと変えてはならないところはあるだろう。例えばコンビニにおいて、24時間営業が望ましいというお客が住んでいるエリアもあれば、別に必要ないよと思っているお客が多いエリアだってある。十把一絡げに24時間はやめるとか、やめないという話にはならない。

さらに意表を仕掛けろと言う、例えが絶妙だ。「山と思えば海、海と思えば山」。ここまでくると確かに度肝を抜かれる。その度肝を抜くくらいの発想力を起業家(店のオーナー)は持たなければならない。但し、客を驚かせるサービスは、あくまでも店のコンセプトを壊すようなものであってはならない。

[教訓]

〇ワンパターンは飽きられる。客を驚かせよ。度肝を抜け。但しコンセプトを壊すな。

〇常にお客様には新鮮さを提供せよ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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