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お客様から商売のヒントをもらう方法

宮本武蔵に学ぶ、

「「まぶるる」というのは、敵と自分とが接近して、互いに強く張り合って、思うようにならないとみれば、そのまま敵と一つに混ざり合って、混ざり合わないうちに有利に勝つことが大切である。」

「多人数の戦いでも、小人数の戦いでも、敵と味方が分かれて向きあっていては、互いに張り合って、勝敗が決まらないときには、そのまま敵と絡み合い、互いに敵味方の区別がわからなくなるようにして、その中で有利な方法を掴み。勝ちをうる道を見出し、絶対に勝つことが大切である。」

(解説)

「まぶるる」とは、敵と自分との区別をなくしてしまうこと、あるいは敵のペースでもなく自分のペースでもない。第三の状況の中に敵を誘い込んでしまうというように考えればよいと思われる。戦闘が膠着状態になれば、敵が攻めあぐね、こちらも打つ手がない状況となる。ここで逆転の発想だが、ならば膠着状態に飛び込めと言うのだ。

しかし、戦闘中であるから、いくら膠着状態とはいっても、どこかでバランスが変わるときがある。そのタイミングを見計らえばよいということになる。平たい言い方をすると、どさくさに紛れて勝て、とでも言っているようだ。

もう一つは、圧倒的な戦力差があると思った場合には、敵の懐に飛び込んで膠着状態に入り込んでしまえともいえる。要するに敵と自分の区別をなくしてしまい、敵のペースでも自分のペースでもない状況に追い込んでしまおうというものだ。自分に攻め手がない場合には、相手にも攻めさせない。

そもそもこういった渾沌状態が、次の何かを生むきっかけとなる。例えば、世界が始まる前は渾沌であったと考えられている。日本書紀によると、「渾沌が陰陽に分離して天地と成った」と語られている。また古事記にしても、イザナギとイザナミの二柱の神は天の橋にたち矛で渾沌をかき混ぜ、島をつくった。

ここでまた敵をお客様と仮定してみよう。すると消費者と同化することのよって、消費者ニーズをとらえると言えるのではないか。それはお客様の声を紙に書いてもらってもいいし、直接感想を聞いてもいいだろう。何が商品やサービスに足りていないのか、直接聞いてしまった方が早い。長続きしている店に、お客さまと友達感覚になっているところも多い。友達になってしまえば、商売につながる欠点も聞きやすい。

[教訓]

〇渾沌(膠着状態)こそが、次の勝機を見出すきっかけとなる。

〇どさくさに飛び込んで、紛れて勝て。

〇消費者と友達になって、改善のヒントをもらえ。

この記事を書いた人
経営学博士。経営学は座学より実学をモットーに大学院在学時より、サラリーマンで修業。一部上場企業の財務、メガバンクでの不良債権処理、 上場支援、上場後の投資家向け広報、M&A、事業承継等を経験。 数千の経営者と身近に接することが多く、数多くの成功例や失敗例を見てきた。 一人でも多くの成功者を輩出することが自らの天職と考え、現在は独立し、起業家に対して、ファイナンスやマネジメントまわりのサポートを行っている。 起業家モチベーター。
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